視覚障害者ができる限り自立した行動がとれるよう、今まで様々な努力がなされてきました。以前のように「ふれあい」によって可能になっていた自立した行動は、このコロナ禍で望み薄く、それに変わり得るものが何かないかと、福祉関係者や障害者用具開発会社の方々も知恵を絞っているようです。
現在の流れからすると、開発人材が揃うパソコンやスマホのプログラムに頼ることになりそうです。今年開催された「東京2020パラリンピック」では、日本の「ボランティア」が一番頼りになったと世界中の人々が答え、感謝もされました。競技場内や路上の要所、要所に立つ案内係員=ボランティアのおかげで、少しの言葉で通じたと言われています。こうした人の「ふれあい」によって、ガイドヘルパーに近い手助けに繋がるということを認識した出来事でした。
現在、カーナビ(自動車ルート検索)が活躍しています。これを視覚障害者に優しい“ナビ”として利用できるように研究してほしいです。盲導犬も活躍していますが、階段や信号等で止まって危険を教えてはくれるものの、目的地までの行き方を調べて連れて行ってくれるわけではありません。目的地を声で伝えると道案内はもちろんのこと、乗換案内(電車、バス、新幹線、飛行機等)や発車時刻を音声で教えてくれたり、よく行く場所へのコースや履歴を登録できたりすると便利ではないでしょうか。今あるナビでも音声で道案内をしてくれますが、より視覚障害者にとって使やすいものになってほしいです。音声入力によるスマホの操作をはじめ、他にも視覚障害者にとって便利なアプリが開発されていますが、そのような機能やアプリを視覚障害者が探して使いこなすのは至難の業です。情報の入手や操作方法について、サポートしてくれる人も必要としています。
これまでは声かけで解決していたことがしづらい時代。それをアプリに代替してもらうのはどうでしょう?接近した会話を避けるため、事前に自分のスマホに要点を記録。そして、「ヘルプ」や「教えて下さい」といったよく使う短い単語を路上にいる人に、今あるアプリよりも簡単に声かけできるアプリの開発をお願いしたいです。今は、視覚障害者だけでなく誰もが声をかけづらい世の中です。なにか良いアイデアで打開策が見つかる気がします。
視覚障害者に限らず高齢者にとっても、簡単な操作で自分が伝えたいことをスマホがしゃべり、文字等を表示させることができれば、高齢者のスマホ利用者もより多くなるのではないでしょうか?
健康な後期高齢者も、一段階ステップアップして、認知症防止にもつながるかもしれません。