私は眼科(視覚障害)のほかにも病持ちで内科に通院しています。いただく薬は「胃腸薬錠剤」「十二指腸薬錠剤」「コレステロール値を下げる錠剤」「血圧値を下げる錠剤」「血圧値を下げつつ冠血管を拡張させる錠剤」の5種類。それを1日一回服用しています。診察が終わるといつものくすり処方箋を持って、隣の薬局に行きます。
5種類の錠剤56日分を受け取るわけですが、帰宅後、家内が同じような錠剤一つ一つをはさみで切り分け、一回分ごとに分ける作業をしてくれます。この作業にかなりの手間と時間がかかるため、家内は嫌がりますが、さりとて視覚障害者には負担が重すぎ無理です…。
ここまでお話をすると、この関係の仕事に携わっている方なら「知る人ぞ知る」で、「薬屋さんで『分包』扱いをお願いすれば解決です」とお答えになるでしょう。
そもそも『分包』って何ですか?それは、例えば私が服用している5種類の錠剤を全て包みから取り出し、一回分ごとに包んで、さらに服用する時間を印刷してくれるサービスのことをいいます。この処方作業は有料ですが、随分前から提供されているサービスだそうで、薬局のカウンター近くに『朝・昼・夜の飲み分けや錠剤の区別がつきにくい方において依頼があれば処方作業を受付けます』といったような内容が掲示してありました。
このサービスを利用している人は主に、朝・昼・夜と服用する薬の種類が多い方、お年寄りで服用を間違えやすい方、ご希望の申し出がある方、だそうです。私が利用している薬局はすでに3年以上の付き合いになりますが、一度も声をかけていただいた覚えがありません。利用者に便利なサービスについてそれなりの症状がある人や視覚障害者には、一度声をかけて説明して欲しいと思います。このサービスを利用してからというもの苦労していた作業がなくなり、本当に助かっています。皆さんは知っていましたか!?
次にご紹介する「知る人ぞ知る」は、東京ディスニーリゾートの「ゲストアシスタンスカード」です。すでに東京ディズニーランドへは何度もお出かけされたという方も多いことでしょう。 一日中乗物やイベントに参加しても共通チッケットで楽しめるワンデーパスポートがある、そんなことは「常識」と声がかかりそう!
私も開園以来2、3度子供を連れて遊びに行きましたが、大人でも1日中楽しめて癖になりますよね。子供達は帰りの車中で乗った乗り物の数を数えるのですが、時間の割に乗れた乗り物の数が少なく、長蛇の列と待ち時間でさすがに疲れたと話していたものです。皆様もご存じのとおり、園内どのアトラクションも蛇行した列で並ばなければならず、本当に疲れてしまいます。健常者でも疲れますが、「車椅子」の方は何度も曲がり、介助者のご苦労は想像できます。
視覚障害者になってから出かけたあるとき、白い杖をついて列に並んでいると、一人の係員が「ゲストアシスタンスカード」というサービスがあることを教えてくれたのです。それは、園内・入場門近くにあるメインストリート・ハウスで発行されており、アトラクションに乗れる順番が近くなるおよその時間を逆算してカードに記入、その時間まで列を離れていても記入された約束時間に戻ればアトラクションに案内してもらえるというサービスです。しかしこの時もやはり、障害者に介護者が同行しているので、声をかけるのは失礼かと少し躊躇されたようでした。よく聞く話ではありますが「障害者には話しかけにくい」と言われ非常に残念でした。
「知る人ぞ知る」情報サービスについてお話しましたが、皆さんご存知でしたでしょうか?今の私には難しい法則、方程式、化学記号を教えて頂くより、生きるためのサービス情報がありがたいのです。
◆セミナー申込はこちら
http://www.helpa.jp/course/course_list/