2年前の3.11以来、災害はいつ起こるかわからない、と思い知らされました。事前の準備として、日常生活の中で自分なりに対応方法を考えておかなければならないということを、ヘルパーとして利用者に伝えておきましょう。今回のコラムでは要救助者(障害者)の立場としてだけでなく、救助者の方(ヘルパーさんなど)への要点も私なりにまとめてみました。
災害には地震、地面から水が噴き出す液状化、風水害、土砂災害、そして最近は、異常気象による竜巻などがあります。これだけの災害について、個々に防災方法を考えなくてはいけないことになります。健常者でも大変であるのに、障害者にはかなり厳しいものがあります。ですが、実際、あなたを助けてくれるのは「事前の準備」と「地域の隣人」だと思います。自分を助け、誰かに助けてもらうために、そして誰かを助けるためにどうしたらよいのか、災害に備えて今日出来ることから始めましょう。
地域によっては、災害が起きたとき援護を必要とする方を対象に、「災害時要援護者台帳」(仮名)が整備されています。登録しておけば防災の一助となり、災害時の支援も円滑に進められるので、地域の福祉担当窓口を一度訪ねてみることをおすすめします。災害発生時には、まず身を守る! 地震のときは、身の安全を確保する。外出先で被災した場合や一人での行動が困難な場合には、身近な人に障害者であることを伝え、必要な援助を求める。火事や閉じ込められて一人で脱出できない時は、物を叩く、ホイッスル(笛)を吹く、など火災や自分の存在をまず周囲に知らせることが大切です。次に助けを求め、「助けて!」「火事です!」など大声を出します。煙に気が付いたら頭を低くして速やかに避難。家の中での日頃の備えとしては、家具の配置を常に一定にし、安全な空間を確保しておくことが避難経路の助けになります。また、避難所まで繰り返し訪れて、経路を事前にきちんと確認しておきましょう。緊急時の持ち出し品としては、ホイッスル(笛)、ラジオなど音声による情報収集の手段となるものは、軍手や靴などと同様に身近に置いておくことを忘れないで下さい。
救助者は、声による情報伝達・状況説明をしながら、白杖を持っていない側、または盲導犬と反対の側に立ち、要救助者に肘の上をつかんでもらいます。歩行速度は要救助者にあわせるよう気をつけて下さい。要救助者を後ろから押す、手を引っ張る、肩や白杖をつかむことはしないで下さい。盲導犬と一緒の場合は、直接盲導犬に触れたり、引っ張ったりということもしてはいけません。避難所での生活では、広報や生活情報など文字による掲示情報は、何が書いてあるのかを誰かに読んでもらって必ず内容を確認するようにしましょう。
障害者として避難所生活に支障のあることや、特別な配慮などの希望はきちんと申し出ることが大切です。避難所の状況によっては、希望しても出来ないことがあることを事前に説明し、本人もそのことを理解しておくことが大切だと感じています。
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