サービス提供責任者とは、ヘルパー(訪問介護員)、ケアマネジャー(介護支援専門員)や、訪問介護サービスの利用者のパイプ役となり、適切な介護サービスが提供されるように調整するコーディネーター。サ責とも呼ばれています。
訪問介護事業所にはサービス提供責任者の配置が義務付けられており、訪問介護サービスを行う上でなくてはならない存在です。
1.サービス提供責任者の仕事は?
(1)個々の利用者に合わせた、訪問介護サービスの計画づくり
ケアマネジャーが作成するケアプランをもとに、具体的にどのような訪問介護サービスを行うのか計画を立てるのが、サービス提供責任者の仕事の一つ。利用者一人ひとりの日常生活の状況や希望をふまえて、その人に合った計画を考えるのがポイントです。
プラン作成の際には「サービス担当者会議」を開き、介護サービスの利用者やその家族、ケアマネージャーをはじめとした介護サービスに関わる担当者(利用者のかかりつけ医、訪問看護、デイサービス、福祉用具事業の担当者など)で意見を交換し、利用者のニーズや介護プランの目標、介護サービス提供者の役割分担や連携を明確にしていきます。
また、作成した訪問介護計画書の内容を利用者やその家族に説明し、利用者の同意を得るのもサービス提供責任者の役割です。訪問介護サービスの開始以降も、利用者の状態の変化や、サービスに関する意向・希望を定期的に確認し、必要に応じて訪問介護計画の変更を行ないます。
(2)ヘルパー(訪問介護員)のまとめ役
訪問介護計画書に沿って、ヘルパーに対して具体的な介護サービスの指示を行うのもサービス提供責任者の仕事です。ヘルパーの能力や希望に応じた業務管理、スケジュール調整、利用者とヘルパーの相性を考えたマッチングや、ヘルパーの育成・指導もサービス提供責任者の役目であり、ヘルパーのまとめ役として活躍します。また、ヘルパーから利用者の情報を収集し、利用者の状態を把握するのもサービス提供責任者の大切な仕事です。
そのほか、訪問介護サービスの申し込み受付や、介護保険サービス管理、利用者からの相談受付などの業務も。中にはサービス提供責任者の仕事を専門に担当する人もいますが、たいていの場合、サービス提供責任者自身も訪問介護の業務を並行して行ないます。ほかのヘルパーの訪問介護に同行したり、急にシフトに入れなくなったヘルパーの代わりを務めることもあります。
2.サービス提供責任者の配置基準
介護サービス利用者40人(平成27年度の改正により一定の要件を満たした場合には50人)ごとに、サービス提供責任者1人の配置が必要になっています。利用者の数は、端数を繰り上げして計算されますので、利用者が1人~40人の事業所でサービス提供責任者1人、利用者が40人~80人の事業所でサービス提供責任者2人…と、利用者の多い大規模な事業所ほど、サービス提供責任者が多く必要になります。
サービス提供責任者 | 介護サービス利用者 |
---|---|
1人 | 1人~40人 |
2人 | 40人~80人 |
3.サービス提供責任者になるには?
サービス提供責任者になるには、下記のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- サービス提供責任者の条件
-
- 介護福祉士、看護師、准看護師、保健師のいずれかの資格を取得している
- 実務者研修を修了している
- ホームヘルパー1級を修了している(※1)
- 介護職員基礎研修を修了している(※1)
- ※1:ホームヘルパー1級講習、介護職員基礎研修はすでに廃止されていますが、廃止前に資格を取得している方・研修を修了している方はサービス提供責任者になることができます。
- ※2:上記のサービス提供責任者の条件は、都道府県によって異なる場合があります。
- サービス提供責任者コラム