今回はエスカレーター利用時の説明をします。外出して必ず利用するものにエレベーターやエスカレーターがあります。そのため、同行援護養成講座での外出実技でも地下鉄のエレベーターまたはエスカレーターの利用説明にとても力を入れてきました。
2020年開催の東京オリンピックがいよいよ来年となりました。障害者に優しく、パラリンピックにふさわしい東京になるべく、全ての街において、地下鉄やJR、デパート、歩道橋などの施設の補修・改修が進行中・完了しているようです。今まで以上に障害者に優しい街へと変化してきているのを感じますが、施設に関しては、障害者だけでなく健常者も同様の利用をしていることについて少し考えてみませんか?
特に近頃のエスカレーター利用には変化を感じます。エスカレーターの幅は二人並んでぴったりな幅です。これまでは左側に寄り、後ろから駆け上がる人に優先権を与えてきました。本来の目的は、上に上がるため、下に降りるための乗り物であって、急ぐために駆け上がる、駆け降りる乗り物ではありません。そのため、利用者に対して「エスカレーターやエレベーターでの走り込みはしないで下さい」と注意を呼び掛ける放送や声かけもよく耳にするようになりました。
これまでの養成講座では、利用時の注意事項として「東京では左側、関西地方では右側」に立ち位置するよう、また、後方者に優先権を与えるように説明をしてきました。ですが今後は、健常者の皆様には、エスカレーターを駆け上ったり、駆け降りたりせず、障害者の安全にも配慮した利用でぜひともお願いしたいです。
ちなみに、歩いて良いとされているのは、東京や大阪などの大都市で見かける「動く歩道」です。これは歩きを補助するためのものであり、上を歩くことが許されています。また一時停止する際は、右か左に寄り、後方者に優先権を与えなければいけません。
いずれの乗り物も健常者だけに与えられたものではないことを理解していただき、高齢者社会での共存・共有生活を楽しみたいものです。