若者の必需品に「携帯電話(スマホ)」があります。これをうまく使いこなし友達と会話することがステータスで、今や小学生までが携帯を所持しているのが現状です。親が子供に携帯電話の所持を許しているのも、登下校、熟を始め習い事など子供だけで出かけることが多くて、途中危険との遭遇も頻繁にあるからでしょう。
現代の大人にとっても携帯電話を外出時に忘れるのは重大なことであり、極端に話せば携帯がないと露頭に迷うも同然、個人情報が全て記憶されているので、連絡手段がなくなり、まして相手の電話番号が分らないのでお手上げ。遅刻承知で家に引き返すことが当り前だという話しも聞きます。
最近のニュースで、中学1年生が不審者に誘拐拉致され、2年間も犯人の部屋に監禁されていた事件がありました。彼女は監禁中に偶然犯人の部屋で拾った500円硬貨を親と連絡する時の電話代、自分を証明出来る品として生徒手帳を大切に保管していたそうです。
やっとそのチャンスが訪れ、500円硬貨を10円硬貨に両替えして公衆電話から親に電話し、警察には保護依頼をして無事に親元に帰る事が出来ました。彼女が助かった要因の一つは、落着いて電話を掛けて助けを呼べたことで、本人は恐怖の中で何時も手順を繰り返していたのだそうです。
この事件後、公衆電話の利用方法について、都内で小中学生に問いかけをしているラジオ番組がありました。街中にある電話ボックスの存在、利用の手順、料金、相手先の電話番号が記憶出来ているかなど、質問に対して回答出来ない生徒達が多くいる放送を聞き、驚きました。
小学生、中学1,2年生は公衆電話の使い方が分らないほど急速な時代の流れの中、生まれた時から携帯電話が存在し、公衆電話の利用など、まずリアルタイムでは経験しないでしょう。
私も時代遅れの年寄りで、その上、視覚障害者になり、世の中急速に流行る新商品にはとてもとてもついてはいけないと落ち込んでおりましたが、先端を走っていると思われた若者も、実は同じ境遇に立たされているのだと始めて知りました。
この事件から、子供達の防犯対策として公衆電話の使用手順を学習させることは、急速な時代変化に取残されない為にも、アナログ時代へ立ち返り見直しをする意味でも必要なのかもしれません。
例えば、電化時代の停電でも、明かりを求めてロウソクを使用する場合、これはクリスマスキャンドルや誕生日ケーキで使用していますが、はたしてマッチのすり方は?マッチ箱は見たことがある?エレベーターの停止中、とっさに非常階段が頭に浮かぶ?など、落とし穴はたくさんありそうです。
そうそう私は何時も「ホイッスル(笛)」を携帯して助けを呼べるようにしておくことを忘れません。非常時対策は自立防衛に少しは役立つかも知れません。