新型コロナウイルスも一年前は中国型、次に欧州型が第2波であり、第3波はウイルスが変異して、より感染力が強いものに変化しているとの報道がされています。
命を奪われるかもしれないことに、ウイルスに感染した本人が最も恐怖を感じていることでしょう。その患者のご家族も恐怖でしょう。私が視覚障害者になり、これから先どのような生活になるのか、日常生活が送れるのか、不安と恐怖でいっぱいだったことを思い出します。
まだ恐れている間は恐怖の入口であり、実際に感染し、新型コロナウイルス患者になった時の恐怖は想像では計り知れません。患者として高熱にうなされて、生きるか死ぬかをさまよう恐ろしさは想像しただけでつらく、当時、光を失う生活が決定した時と、患者になった人を心配している肉親家族の恐怖は同じかも知れません。
これから先も、新型コロナウイルスが強力に変異してくるかと思われますが、二度と体験したくない恐怖なので、マスク、手洗い、うがいをして、ヘルパーさんとの信頼関係を作ることが大切であると考えます。同時に医療関係に携わる人達に感謝の気持ちを持つことがどれほど心の癒しになったか、当時眼科に入院して治療を受けていたことを思い出しました。
一番恐怖を感じているのは患者本人とそのご家族の皆様でしょう。一日も早い回復を御祈り申し上げます。
これまで一般の方から優しい理解者が増えてきていましたが、今回のウイルス騒動で声かけが少なくなりましたと以前のコラムでお伝えしました。先日は地下鉄のホームからの転落事故がありました。原因を正せばいつも同じです。優しい一言がいつも抜けているのです。今回の事故はホームドアが設置されていましたが、使用開始までの点検が終わっていないため、完成するまでホームドアを開けたままにしていたことが原因でした。被害者が自分がいるホームの反対側のホームに入ってきた電車の音を聞き、自分が乗る電車だと思い、開いていたホームドアから落ちて亡くなられたのです。
運輸大臣が事故現場を視察されて厳重な注意をされたようですが、これまでいつも同じ原因の繰り返しです。同じ視覚障害者としては、またしても犠牲者がでたと悲しくなります。見えていない人になって考えていただきたい。まさかまさかの事故原因ですが、思いがけない手助けが事故を未然に防ぐこともあります。神の手にもすがりたい新型コロナウイルスのワクチンを求めるのと同じく、視覚障害者は優しい理解者からの声かけを求めているのです。
ワンマン運転されている電車に誘導案内をすることは不可能かも知れません。せめて場内放送で「業務案内放送、視覚障害者1名車両前方より乗車」と電車内に運転手1名しかいなくても、アナウンスして頂ければ事故件数も少なくなると思いますし、視覚障害者も安心して乗車できると思いますが…いかがでしょうか。ご提案いたします。