最近の報道では、人と人との距離間隔をとる、3密(密閉、密集、密接)を避ける、感染予防にマスクを着用する、不要不急の外出はしない、など新しい生活様式として習慣づけることをすすめています。
私は、人との距離は前の人と白い杖の長さで測っています。今使用している白杖は長さ1m20cmなので逆算して列に参加していますが、動きが遅いこともあり、後ろからのクレームは今も避けられません。一番困ることは皆さんがマスクを着用していることです。相手の声の高さや距離感覚が判断しづらく、今まで声の上げ下げで近くに人がいるかどうかを判断していたので、大変苦労しています。
視覚障害者に理解ある人も、これまでは「お手伝いしましょうか」とよく声をかけていただきましたが、最近は一度もありません。皆さん、密接を避ける防止策を厳しく守っていて感心します。
密集を避けるため、混雑する電車通勤は避け、徒歩か自転車通勤を始める人も増えてきました。ですが、視覚障害者にとって、音のしない乗り物は危険です。以前にもお話ししましたが、電気自動車は移動するエンジン音が小さく危険度が増します。自動車メーカーには、優しい音がする自動車というのも、開発の一案に加えていただきたいです。
今後、生活環境&様式は変わっていくことでしょう。全てこれまでと同じ生活に戻ることを望むわけではありませんが、弱者にもやさしく、理解ある変化と改革であることを切に願います。新型コロナウイルスがいつまで流行するか、ワクチン開発がいつになるかは不明ですが、これまで通りの生活が続くことを考えると、訓練していた基本動作を守り、同行援護のためにマスク着用、手の消毒&うがいを完全実行することを忘れないことが重要です。また解決策として、声かけは少なくても、基本姿勢で利用者との約束事を決めておく、また誘導する行動を今まで以上に増やしていくのも一案です。
私達障害者は、今まで社会に負けず闘ってきた実績があります。その実績を生かして、新しい解決策が必ず生まれてくると思っています。