ヘルパー不足は深刻です。もう口説く人が思い当たらなくなり、理学療法士をやっていた息子にヘルパー事業所を手伝うように頼みました。それが正解だったのかは今でも迷いがあります。私はヘルパー制度を45年間訴えてきましたが、親やわが子に世話になってはいけないという強い気持ちがありヘルパー運動に命を懸けてきました。
しかし、最近は本当に誰に声をかけても難しいです。
私の知り合いに、同じ文面で「みなさん、ヘルパーをやってみたいという方がおりましたならお声をかけてくださいませんか。人生にちょっとだけ道草してみませんか。ぜひよろしくお願いいたします」というようなメールを打ってみました。
すると、昔、私の秘書をやってくださっていた人からメールがあり、「小山内さん、85歳の人はいかがですか。元気がいいですよ。今も現役で働いていますよ」と返ってきました。私は驚いて、冗談を言っているのかなあと考えてしまいました。でもやはり冗談ではないのです。このメールの返事で、世の中がどんなにヘルパー不足で困っているかを認識しました。
37歳の息子はホームヘルパーの免許を取り、必死に働いていますが、やはりリハビリと介護の仕事はまったく別で、言葉から覚えていかなければならないので大変です。息子は青春時代、スポーツを何でもやりこなし、活き活きと生きていました。私はこのようなことで人生が続くとよいなあと思っていましたが、最近の息子の険しい顔を見ると、親としては本当につらい日々です。「私のお腹から生まれてごめんなさい」と言いたいくらいです。これから私たちの仕事はどうなっていくのか、世代交代をして息子に全部任せるという覚悟をしなければいけないと思っています。ヘルパーの月給がもっと上がらないと、若い人たちは近寄ってきません。政治は助けてくださらないのでしょうか。神に祈るしかありません。