ガイドヘルパーとして、視覚障害者のご利用者さんを介助していると、誘導介助のほかにも覚えなくてはならないことがたくさんでてきます。 例えば、ご利用者さんは比較的家に閉じこもりがちなため、自ら情報収集するのが難しい。そこで、ガイドヘルパーが最新の日常グッズ(視覚障害者用)などを教えると大変喜ばれます。そうしたご利用者さんが欲しい情報を入手し伝えるのも、ガイドヘルパーの仕事といえるかもしれません。また、その情報が他のご利用者さんから知り得たものならば、個人情報保護の観点からも、自分の介助経験に一度落とし込んでから話すほうが良いでしょう。
ほかには、外出する前にご利用者さんの健康状態をチェックするのも覚えておいてほしいです。確認せず出かけてしまい、万が一途中でご利用者さんの気分が悪くなったら、帰らなければいけません。そうならないためにも、お出かけ前の確認は重要です。また、服装チェックもお願いしたいです。ワイシャツの襟が折れていたり、靴下を色違いで履いていたり、ズボン前のファスナーが開いていたり、洋服に大きなシミやホコロビがあったり…。他にも、ボタンが取れたままになっていないかなど、視覚障害者にはよくありがちな見落としに気付いてあげましょう。特にお洒落をしていたつもりの女性が、ひょんなことからそのようなミスに自分で気付いたら、ショックも大きいはず! 上手なサポートをお願い致します。また、電気・ガス・水道などの後始末や元栓・戸締まりは、自分が外出するつもりで確認をして下さい。
さらに、外出場所や目的内容などのすり合わせも重要です。それは、お互いの認識違いがよくあるからです。特に目的地となる"場所"については、自分のなかの先入観で行動してしまって間違いをおこしがち。とくに同じ呼び名の場所は要注意。最後に、持ち物はまず「身体障害者手帳」、そして観劇であれば「劇場入場券」、病院の時は「診察券」を、更に何科を受診するのかまで、必ず確認するようにしましょう。
ガイドヘルパーは介助者として同行しているのですから、最後まで『利用者から離れない』精神を忘れないで下さい。一人早合点して行動したあと、「○○だ、と思いましたので…」と責任逃れするのは一番危険です。安全誘導介助が、ガイドヘルパーのお仕事でもあるのですから。例えば、ご利用者さんによっては、久しぶりのお出かけでついつい買物が多くなり、ガイドヘルパーが荷物持ちになってしまうことがあります。多少は仕方ないとしても、荷物は利用者の持てる範囲内に納めるのが原則。介助者が荷物を持ってしまうと、緊急時の対処が取りづらく、安全な誘導介助が疎かになってしまうからです。さらには、危険を招くこともあるかもしれません。ご利用者さんを咄嗟に介助できるよう、ガイドヘルパーは常に両手を空けておくように心がけましょう。また、こうしたことを事前にご利用者さんに説明し、理解してもらうのも大切です。
今回、どの講習会テキストにも記載されていない内容ではありますが、介助者として最低限覚えて欲しい内容を書きました。健常者の皆さんにも重なる事柄があると思いますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
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