外出をして何が楽しみかといえば、それはやはり食事でしょう。その一方で、ガイドヘルパーさんは毎回何を食べるか決めるのに、頭を悩ませているかもしれません。そんな風に困った時は、ご利用者さんを案内しながら季節や趣味の話、好きな食べ物などを聞き出すのが一番良いと思います。ひとたび好きな食べ物が分かれば、お店を絞り込んで探すことができます。また、食事をする際は、混雑を避けて良い席を確保するために早めの入店をおすすめします。特に昼食は、混雑してくると他の方と合い席をお願いされることがありますので。
お芝居やスポーツ観戦など、現地での食堂を利用する場合は、同じ時間帯に混雑することが予想されます。そんな時は、歩行中、条件の合う食堂が見つかった段階で、たとえ時間が少し早くても、ゆったりくつろぎながら食事をすることを優先させてみてはいかがでしょうか?
入店したら、持ち物は、利用者の責任で置き場所を決めてもらいその場所を覚えてもらうようにします。なぜなら、すべてガイドヘルパー任せにしてしまうと、ご利用者さんの管理意識が低下し、何を持って来たか忘れてしまうことがあるからです。ただし、お店を出る時には置き場所に忘れ物はないか、特にテーブルの下に物は落ちていないかを、ガイドヘルパーさんの目で必ずチェックするようにして下さい。
さて、ランチといえば比較的定食系が多いと思います。おすすめのメニューを説明したり、値段についても前もって伝えておくことが大切です。食事代金は各自負担ですから、ガイドヘルパーさんは遠慮することなく自分の好きなものを注文して下さい。また、定食を選ぶ利点についてもご紹介すると、定食は、すべて1つのお盆に納まっているため、食べ物の位置が説明しやすいのです。その際、ご利用者さんにテーブルを時計の文字盤に見立てて説明するのも良い方法です。これを、クロックポジションを利用した説明と言います。しかし、当の私は品数がある定食より、丼物かカレーライスの一品料理をつい注文してしまいます。それは、ガイドヘルパーさんからメニュー説明があるものの、お盆にのっている各料理の位置をなかなか覚えられないためです(苦笑)。
また、お水や熱いお茶、お吸い物など扱いに注意が必要なものは、あらかじめお盆の外に置き、位置を説明しておくのも1つの手です。そうすれば、こぼすことなくご利用者さんも安心して食事ができますよ。ちなみにお店の箸で食事をすると食べこぼしも増えるので、私はマイスプーンを携帯しています。マイスプーンなら、一度に運ぶ量も感覚で覚えているため、口周りを汚す回数も必然と減るんです。
注文内容によっては、ガイドヘルパーさんの食事がご利用者さんよりも早く運ばれてくることもあるでしょう。そんな時は、遠慮せず「お先に」と断って食べ始めてください。ご利用者さんより早く食事が済めば、その分介助に専念できるというメリットにもなるんですから! 食事中は、他のメニューや旬の食材について、店内の雰囲気など様々な情報も提供してあげて下さい。お気に入りの味であれば、また訪れたいお店となってご利用者さんの自立援助につながるかもしれません。
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