（写真：白澤先生による講義風景）

最初の講義は、桜美林大学大学院教授の白澤先生による「介護保険制度改正と今後の方向性 ～訪問介護事業のこれからの対応～」についての講義です。地域包括ケアの現況と課題、24時間地域巡回型訪問サービスやサービス付高齢者住宅といった新規サービスの動向や今後の介護保険法の方向性についての解説がなされた上で、訪問介護事業者が今後、事業運営を行うに当たって採るべき施策についての私案が提示されました。

（写真：井上先生による講義風景）

お昼の休憩を挟んで、行なわれた2番目の講義は、前京都女子大学大学院教授の井上先生による「訪問介護員への技術・指導教育 ～ヘルパーの実践力を向上させるために～」です。「元ヘルパーの井上です」という自己紹介から始まり、研究者の観点にとどまらない長年の経験に基づく現場視点を交えた内容は、多くの受講生の共感を得るとともに、介護という仕事の素晴らしさを改めて感じさせてくれる内容となりました。

（写真：須加先生による講義風景）

最後である3番目の講義は、目白大学教授の須加先生による「サービス提供責任者の役割、専門性と人材育成」です。サ責の役割が多角的に説き明かされるとともに、本来あるべき姿と現実との乖離についても言及されました。また、介護保険の対象となるか否か、意見の分かれるサービスについて「目的のための手段として有効か」「次の援助へとつながっていくかどうか」という判断基準で考えるべきとされました。具体的な事例に基づく講義は、サ責の抱える悩みや問題の解決につながる実務的かつ実践的なものでした。

（写真：纐纈先生による講義風景）

セミナー2日目の5月20日（月）は、サービス提供責任者を対象に「社福協研修室」で開催しました。NPO渋谷介護サポートセンターの纐纈 (こうけつ) 恵美子先生による「訪問介護計画の作成演習」です。
事例に基づいたケアプランから、手順書や個別援助計画の作成方法について、また、アセスメントやモニタリングのポイントを交えたグループ演習で、より具体的に学ぶことが出来、講義後のアンケートからは、同じ悩みを抱えるサ責同士の意見交換も参考になったという声が数多く聞かれました。

（写真：石川先生による講義風景）

セミナー最終日、3日目の5月21日（火）も前日に引き続きサービス提供責任者を対象に「社福協研修室」で開催しました。テーマは「ホームヘルプサービスの危機管理」で、講師は石川治江先生（NPO法人ケア・センターやわらぎ　代表理事）。 「ドアを開けたら返事がない」、「茶碗を割ってしまった」などの事例について、その対応策をグループごとに検討しました。先生を交えた活発な意見交換や質疑応答を通じ、リスクマネジメントの知識を深めることができたほか、ロールプレイによる信頼関係を築くための方法など、数々のノウハウを学んだ講義内容となりました。