引き続き、平成19年9月~11月にかけて、日本ホームヘルパー協会が行った「ヘルパー職に希望が持てるか否か」についての緊急アンケートに関する情報をお伝えします。今回は「今、ヘルパー職に希望が持てますか?」の問いに「わからない」とご回答いただいた方からの意見を見てみましょう。
【アンケートの概要】
全国のヘルパー(1,007名)を対象に、「ヘルパー職に希望が持てるか?」というアンケートを実施。問いに対して、3つの選択肢(a=もてる、b=もてない、c=わからない)を用意。それを選んだ理由も記述してもらった。そして、今後介護業界がどうあったらいいと思うかも記述してもらった。
アンケートに関する詳細は以下URLよりご確認ください。
第5回:「ヘルパーの声」からみえるもの (1)
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【ヘルパーの声:ヘルパー職に「わからない」と思う理由】
「今ヘルパー職に希望が持てますか?」の問いに「c:わからない」と回答した238人(24%)のうち、10件を抜粋。
その理由 | どうあったらいいと思いますか? | |
c1さん | 現場はおもしろく(?)ヘルパーの力はすごいと感じることも多い。また、賃金保障がなさすぎる。 | 身分・給与の保証を! |
c2さん | 始めたばかりなのでよくわかりませんが、特に生活援助の面では、ヘルパーの仕事の範囲が利用者さんもまた自分自身もわかりにくい点があります。どこまで援助すべきなのか…今後この制度が浸透していけば改善されるのでしょうか? | 制度の整理・改善されても、家庭の中に入り込んで人対人の仕事をする以上、規則だけでは割り切れない面も多々あります。利用者さんの生活を尊重しながら一定の距離をおいて、援助していくには、ヘルパーの意識を高く・強く持つべきだと思います。 |
c3さん | 利用者さんにとって自分自身がお役に立てているか分からなくなる時があります。援助一つにしても、こっちはやっても良いが、こっちはやってはいけないと言われるとなぜなんだろうと考えてしまいます。 | ヘルパーの勉強会をもっとやってほしいです。 |
c4さん | 援助に制限が多すぎて、利用者様の望むことが出来ないことが多い。収入が安定しない。 | 厚労省の役人はもっと現場を見て理解してもらいたい。マニュアルだけでは人間の介護は出来ないと思う。 |
c5さん | 国の介護の方針がコロコロ変わるので自分の本当に目指している介護ができない。体力的にもどんどんきつくなり、仕事の量を減らしていかなければ続けられない。 | 利用者が本当に必要としている介護をしてあげたい。経済的にも時間的にも余裕を持って介護できたらいい。 |
c6さん | 個人の毎日毎日の生活を維持するお手伝いは大きな意義があると思う。その反面、賃金・勤務時間等、労働条件が悪い。パート的働き方としては文句はないけれど、常勤の人は大変だと思う。 | ヘルパーは認定ではなく、しっかり専門職として、位置づけて欲しい(それにあった知識も必要だけど)。そして、専門職たる待遇であればと思います。 |
c7さん | 決して働きやすく、ずっと続けていきたい職業ではないと思います。介護保険制度の改正に伴い、保険外・保険内という枠ができましたが、今まで出来ていたことがもうできなくなりましたという旨は、利用者様にはなかなか理解して頂けず、やってくれないという言葉を受けます。事務所でできないので…と言い現場へ行くヘルパーさんに伝えますが、実際そのやり取りをするヘルパーさんは決して良い気持ちではないと思います。ご家族ももう少しご協力頂けたらなと思う事がよくあります。 | 制度の改正をご高齢の方、またそのご家族の方にわかりやすく、しっかりとした説明をして頂き、ヘルパーにとっても仕事のしやすい環境であれば良いと思います。悪くなくてもヘルパーにその風はあたるので、悩みもつきないし、続けていきたい、楽しいとはなかなか思えない気がします。 |
c8さん | 誰かの役に立てることを実感できる仕事だと思っている。まだまだ頑張らなければならないと感じます。 | ヘルパー職の待遇がもう少し改善されたらいいと思う。ヘルパー自身も専門職としてきっちりやっていかなければならないが、利用される方の意識が変わっていくような情報などを提供していく必要もあるかと思います。 |
c9さん | 希望が持てる時もあり、もてない時もある。気持ちが揺れ動いているのが現状。 | サービス内容の見直し。ご本人が希望されていることや、ご家族が希望されているかどうかとは違うサービスが多く疑問に感じる。ご自分で充分やっていける方への派遣もあり疑問に感じる。 |
c10さん | 人と直接かかわる仕事なので、精神的・肉体的にも大変な内容だと思います。介護技術、緊急時の対応等、多くの事を求められる中、賃金がとても低いので続けて良いのか不安です。 | ヘルパー自身も向上心を持ち、学習していきながら技術等を身に付けていった上で評価され、賃金を決めてもらいたいと思います。 |