介護・福祉関連ニュース
厚労省、在宅サービスの創設提案
2010/08/27 厚生労働省は、23日に行われた社会保障審議会介護保険部会に、24時間巡回型介護、デイサービスの延長や宿泊、複合事業所、地域支援事業を組み換え軽度者への生活支援サービスをできるようにすることなど新サービスの創設を論点として提示した。その内容と主な意見を紹介する。(関連記事=2面) デイの延長、お泊り 悪質な保険外事業の排除を 創設を提案されたサービスの多くが、地域包括ケア研究会の報告書で言及されている中で、唐突な印象を受けたのは、通所介護事業での家族のレスパイト(休息)機能の強化だ。 通所介護では、送迎を含めて8時間までが本体報酬でのサービス提供時間になっているが、10時間までは延長加算が算定できる。しかし、現状では、月間請求件数の0・8%しか算定されておらず、普及していない。一方、短期入所サービスについても、緊急時など柔軟な対応ができない。柔軟な宿泊サービスができるはずの小規模多機能居宅介護も設置数は伸び悩んでいる。これらを踏まえ、事務局は、デイサービスを活用したショートステイ又は、10時間以上の延長サービスの創設を提案した。延長により、フルタイムで仕事をしながらでも、デイに預けながら仕事ができるようになるとする。 こうしたデイの制度化は高齢社会をよくする女性の会が要望していた。同会を代表する木間昭子委員は、家族の介護負担軽減のために改めてデイサービスでのショートステイの実施を要望。「保険外の自主サービスとして取り組んでいる中には、男女同じ部屋で宿泊させたり、行き場のない人の施設になっているケースがある。問題視した自治体職員が訪問しても、保険外だからと夜間の実態は見せてもらえない現実もある。制度化にあたっては、適切な基準が必要」と指摘した。事務局は「配慮する」と回答した。 「お泊りのデイよりも、すでに24時間体制にある入院・入所施設の活用が先決ではないか」「小規模多機能型居宅介護とお泊りデイとどう整合性をとるのか」など課題を指摘する意見もあった。 通所リハの長時間サービスも実質的に「お預かり」の部分があるとして、通所リハ、通所介護の再編や地域包括支援センターでの家族相談機能の強化なども論点として提示された。(以下略)
特別枠でお泊りデイ厚労省
2010/08/27 11年度概算要求で 厚生労働省は26日、2011年度予算の概算要求をまとめた。公開の場で事業の優先順位を判定する「政策コンテスト」の対象となる特別枠に、8千床分の「お泊りデイサービス」の整備や、24時間地域巡回型訪問サービスの実施を要望項目として盛り込んだ。(1面参照) 政府は11年度の概算要求組替え基準で、全省庁に要求額の10年度比10%削減を求めた一方で、政府全体では1兆円超の「元気な日本復活特別枠」を設定。要望された政策の優先付けを行い予算配分を決める「政策コンテスト」を行うとしている。(以下略)
EPA看護師国家試験は英語併記で
2010/08/27 検討チームが取りまとめ 厚生労働省の「看護師国家試験における用語に関する有識者検討チーム」(座長=中山洋子福島県立医科大学看護学部教授)は24日、来年2月の国家試験から、難解な用語を平易な用語に置き換えたり、疾病名に英語を併記するなどの対応を行うとする取りまとめを示した。介護福祉士国家試験も、同様の対応が行われる見通しだ。 取りまとめでは、「医学・看護専門用語以外」と「医学・看護専門用語」に分けて対応方針を示した。(以下略)
意見・提言 国の無策が招いた施設ビジネス
2010/08/27 格安泊まり付きデイの急増 FCにモラルなし 宅老所自ら”違い”証明を 本紙は前号で、通所介護事業の保険外サービスとして格安料金の泊まりを組み合わせるビジネスが増えていることについて報道した。賛否両論ある中から様々な意見を紹介していきたい。デイサービスの開業支援を行っている日本生活介護代表・佐藤義夫氏は、FCによる安易な宿泊サービスの急増は、施設整備を放置してきた国の無策によるところが大きいとし、モデルとなった宅老所に対しても、自らその違いを示していくことが求められているという。(編集部) (以下略)
上海の医療・福祉NOW 上 施設から在宅介護へシフト中
2010/08/27 政策目標は「9073」 高齢化率中国トップ 中国では、60歳以上の高齢者が約1・69億人で、2050年には31%になり、全人口の3分の1を占め、4億人になる予測。「中国はもはや世界中で、高齢社会になるスピードが最も速い国である」と過日、中国高齢事業発展基金会が発表した。 上海はその中国で一番早く高齢社会になった都市である。現在60歳以上の高齢者が300万人、上海市登録総人口の21%で、中国平均の12%を大きく上回っている。 上海で高齢化が一番進んでいる理由は主に二つある。上海は国策である一人っ子政策の模範となるべく1976年から全国で一番早く実施した。ちなみに、今の上海の合計特殊出生率は0・8である。二つ目は上海の医療水準が全国で一番進んでいることだ。 最新データでは男女平均の平均寿命は81歳、遥かに全国平均を超えている。(以下略)
格安泊まり付きデイ急増 「助かる」「質が心配」で賛否 全国270カ所のチェーンも
2010/08/20 介護保険のデイサービスに保険外事業として格安料金の泊まりを組み合わせる形態のサービスが各地で増えている。いわゆる「宅老所」として草の根で取り組まれていた形態だが、全国にFCで270カ所を展開する企業も現れて、ビジネスモデルとして認知された形だ。ショートステイが慢性的に不足する中で、利用者側からすれば、格安に確実にサービスを利用できるのが魅力。しかし、業界内では「サービスの質に疑問がある」と批判も強くなっている。「宿泊が常態化していて施設と変わらない」「雑魚寝で、しかも男女一緒」などこれでいいのかという指摘は行政にも寄せられているが、自主事業は管轄外と静観している。(以下略)
ハイリスク者 チェックリストのみで決定
2010/08/20 厚労省 介護予防事業見直し 厚生労働省は6日、介護予防の「特定高齢者施策」の実施方法を簡素化する通知を各都道府県宛てに出した。これまで選定にあたって必須条件だった生活機能の検査を実施しなくても、基本チェックリストの実施のみで「要介護状態になるおそれの高い高齢者」として決定できる形にした。介護予防プランについても、地域包括支援センターによる作成は原則不要とした。保険者からは早くも「実際に負担軽減になるのか」などの声が上がっている。(以下略)
市民中心でデイサービス 運営神奈川県藤沢市
2010/08/20 地域の自主・主体性重視 神奈川県藤沢市は2002年から、65歳以上の元気な高齢者を対象にした「高齢者生きがい対応型デイサービス」事業を展開している。元々、市民グループからの要望で生まれたサービスで、地元のNPOなどに運営を委託しており、市民中心の取り組みだ。 「生きがい対応型デイサービス」は、藤沢市内在住の65歳以上の高齢者で、介護保険の要介護認定で「非該当」、もしくは認定を受けていない人が対象。原則として、1人で実施会場に来られることが条件だ。 (以下略)
介護で離職7割 「続けたかった」
2010/08/20 厚労省調査 両立の難しさ示す 厚生労働省はこのほど、働きながら介護をしたり、介護のために離職した人を対象にしたアンケート調査を実施した。介護期間中に仕事を辞めた経験がある人のうち、約7割が「仕事を続けたかった」と回答。介護と仕事の両立の難しさが改めて示された格好だ。 今年2月、全国の30~64歳の男女のうち、「本人または配偶者の家族に65歳以上の何らかの介護が必要な人がいる」人を抽出。全国から3676人の有効回答を得た(在職者2727人、離職者949人)。 介護期間中に仕事を辞めた経験がある人のうち、約7割が「仕事を続けたい」と思っていたことが分かった。また、離職者のうち、7割以上の人が再就労意向を持っていた。(以下略)
保険外サービス45兆円市場調査へ事業
2010/08/20 経産省 委託事業先を採択 経済産業省が「新成長戦略」に基づき今年度から実施する医療・介護の保険外サービスの拡充に向けて調査研究事業の実施内容が決まった。調査研究事業の運営を委託されている三菱総合研究所が9日に発表した「医療・介護周辺サービス創出における調査」の採択先は21事業体。保険外サービスのルールやビジネスモデルづくりを目指しての調査研究事業が今月中にもスタートする。 調査研究は、経済産業省が「新成長戦略」の実現に向けて今年度創設した「医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出調査研究事業」で実施するもので、今年度予算で20億円を確保。民間事業者から、医療・介護に関連する保険外サービスの事業参入・創出に向けてのアイデアを集め、具体的な政策につなげるのが目的だ。(以下略)
高齢者住宅の一元化 有料ホームも高専賃に国交省、厚労省が検討 入居者保護後退の懸念も
2010/08/06 国土交通省は、次期通常国会で高齢者住まい法を改正し、「サービス付き高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」を法定化することを目指しているが、その中で、類似のサービスである有料老人ホームも住まいとして「一元化」する案が浮上している。厚生労働省、国土交通省にまたがり、複雑になっているサービス付きの高齢者住宅を消費者にとって分かりやすく「一元化」するのがねらいという。しかし、これまでの経緯で老人福祉法では有料老人ホームに対して都道府県の強い行政指導権限を認めていることから、高齢者住まい法に移行した場合は、入居者保護が大きく後退する懸念もある。(関連記事=7面)(以下略)
介護職員の医行為で試案
2010/08/06 今年10月から試行研修 厚労省検討会 たんの吸引や胃ろうの管理などを介護職に認めていくための法制度のあり方などについて議論している厚生労働省の検討会(座長=大島伸一国立長寿医療研究センター総長)が7月29日、開かれた。厚労省側から、介護職員が実施できる行為の範囲や実施する施設、研修カリキュラムなどの試案が示された。 行為の範囲については、吸引は、口腔内▽鼻腔内▽気管カニューレ内部――で、口腔内については咽頭の手前まで。経管栄養は胃ろう▽腸ろう▽経鼻――の三つ。胃ろう、腸ろうの状態確認、経鼻経管栄養のチューブ挿入状態の確認は看護師が行うとした。 これまで、運用によりヘルパーや特別養護老人ホームの介護職、特別支援学校の教員に対して認められていた範囲を制度の対象としているが、「将来的な対象行為の範囲の拡大の道を閉ざすものではない」とした。実施する介護職員などの範囲は「一定の追加的な研修を修了した介護職員等」と規定。 実施施設は、特別養護老人ホーム▽老人保健施設▽グループホーム▽有料老人ホーム▽障害者支援施設(通所施設、ケアホームは該当。医療機関である場合は除く)▽訪問介護事業所――など。(以下略)
自己資金で一部ユニット 先駆的老健も報酬返還?
2010/08/06 従来型と個室ユニットが混在する新設の「一部個室ユニット型」施設は特養より老健で多いことが厚生労働省の調査結果から分かった。整備費補助がない中で、自己資金で遣り繰りできる範囲で個室ユニットを取り入れるところが多いためだ。事前に厚生労働省に打診したところ、「やむを得ない」と了承されたという自治体もあった。特養で自治体が多床室の新設を認め始めたことに端を発して、「過払い問題」に発展。報酬返還を求められることになれば、先駆的な老健も巻き添えになる。 厚生労働省の調査では、多床室と個室ユニットが混在し、「一部ユニット」の指定を受けていた施設は特養で4県で9件。一方、老健では、9都県に26件あった。(以下略)
検証 ホームヘルプ労働 在宅介護の未来のために(4)
2010/08/06 ヘルパーの能力14類型に 専門性の言語化へ 日本ホームヘルパー協会 日本ホームヘルパー協会(因利恵会長)はこのほど、質の高いケアを提供するヘルパーの行動・思考特性などを整理した「訪問介護員のコンピテンシーモデル」を作成した。介護保険が始まって以来、ヘルパーの生活援助が改定のたびに切り下げられてきた背景には「家族や研修を受けていない人が行う介護との違い」を示すことが出来ないでいることが大きな要因と指摘されている。コンピテンシーモデルは、ヘルパーの専門能力を言語化する試みでもある。ヘルパー1人ひとりが自分の行った援助の専門性を認識出来るようになることが、報酬での評価につなぐためにも重要なことだと考えているという。(以下略)
死後も「あんしん居住制度」
2010/08/06 東京都防災・建築まちづくりセンターが対象者を拡大 葬儀、後片付けも実施 高齢者の入居を拒む賃貸住宅の大家が少なくないことから、東京都の外郭団体である東京都防災・建築まちづくりセンターが2001年から始めた「あんしん居住制度」。安否確認など見守りサービスと葬儀、残存家具の片付けの3つのサービスがあり、賃貸住宅への入居を希望する高齢者に契約してもらうことで大家さんの不安を解消し、高齢者の住まいの確保につなぐことが目的だったが、独り暮らしの高齢者が増加する中、「持ち家があっても利用したい」という要望が増加。今年7月からは持ち家の人も対象に広げ、幅広い高齢者の在宅生活を支えるサービスとして再スタートした。(以下略)
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