介護・福祉関連ニュース
看護師確保が困難 経過措置を再々延長
2008/3/31 * 重度化加算など * 給付費分科会が了承 社会保障審議会介護給付費分科会は25日、前回の報酬改定で特別養護老人ホームで創設された重度化対応加算の算定要件になっている「看護師」の配置について准看護師でもかまわないとする経過措置をさらに半年延長する諮問案を了承した。経過措置は本来は1年だったが、人材確保が困難として1年延長されていた。再々延長することについては強い反対意見もあったほか、明確に「半年で打ち切り」とすべきとする意見もあったが、今後実態調査を行った上で、「9月末に最終判断」をすることで決着した。ショートステイ、特定施設での「夜間看護体制加算」も同様の扱いになる。(もっと読む)
後期高齢者医療の中止へ大集会
2008/3/31 * 開催求める 東京連絡会 後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める東京連絡会が23日、「東京大集会」を開催した。吉田万三連絡会代表は「新しい医療制度では、高齢者がこれまでのような医療をうけられなくなるかもしれない。これまでに500万筆の署名が集まった。我々の働きかけで、東京都では62区市町村のうち49議会で意見書が採択された」と成果を報告。政府レベルでも野党4党が廃止法案を国会に提出しており、制度は4月からスタートすることになるが、さらに働きかけを強めていくことを集会で決議した。(以下略)
誰もが生き生き社会へ基本法を
2008/3/31 * 「ユニバーサル」へシンポ 「チャレンジドを納税者にできる日本」をキャッチフレーズにITなど最新の科学技術を活用して障害者が社会で活躍できるしくみづくりなどを行っているプロップ・ステーション(竹中ナミ理事長)と読売新聞社は24日、都内で年齢、性別、障害の有無にかかわず誰もが生き生きと暮らせるユニバーサル社会の実現を目指すシンポジウムを開催した。ダイナー・コーエン米国防総省電子調整プログラム(CAP)理事長が最新の科学技術を用いた障害者の就労支援の活動を紹介したほか、与野党の国会議員も訪れ、「ユニバーサル社会基本法」の制定を超党派での検討も含めて進めていく決意を表明した。 「活動理念は、『すべての人が誇りを持って生きられるようにすること、それが国防の第一歩』です」 米国防総省は、その名の通り日本の防衛省にあたる国の機関。来日講演したコーエン米国防総省CAP理事長は、防総省の最新の科学技術を用いた障害者の社会復帰支援の活動を紹介した。 1990年に創設されたCAPでは病床軍人の社会復帰を支援する活動をきっかけに、現在では障害を持つ全ての国民を対象に防総省が持つ最新の科学技術で社会復帰を進める活動を行ってきているという。具体的には、IT技術を活用し四肢が不自由でも入力できるキーボードや音声入力装置でパソコンを使った仕事などが可能で、そのための訓練プログラムも開発されている。米国の省庁でも既に、目が見えない秘書や両手の先を失った公認会計士や省庁の長官クラスでも障害を持った人が活躍しているという。これまでにCAPで支援した人の数は6万人以上だ。 「日本でも変えていく決意と思いがあれば、誰でもチャンスを得られる社会をつくっていくことができる」とエールを送った。(以下略)
専任教員や実習施設の要件引き上げ
2008/3/31 * 介護福祉士養成施設の指定基準等を改正 * 指導者に講習義務化も 厚生労働省は24日、昨年改正された社会福祉士及び介護福祉士法の施行に向け、養成施設のカリキュラムや指定基準、実習施設の要件などの改正省令を交布した。介護福祉士養成施設については、再編された教育分野ごとに実務経験のある介護福祉士や医師・看護師等の有資格者を専任教員として配置を義務付ける。また、実習の質確保のため、サービス提供のマニュアル整備や職員研修を計画的に実施している事業所を必ず実習先として確保しなければならなくなった。実習指導者の養成講習も来年度から新たに始める。2009年度から施行するが、既存施設については3年間の経過措置を設けるとした。 改正社会福祉士・介護福祉士法では、受験資格要件の見直しのほか、養成施設の教育内容を拡充し、教員や実習施設の要件も見直すことが柱だ。これまで文部科学省の指導監督下にあった介護福祉士養成科目を持つ福祉系高校も養成施設に準じた教育内容や教員配置基準を課し、厚労省が指導監督を行うようになることから、今回両省合同での省令改正となった。 新たな養成施設指定規則ではまず、社会福祉士の教育時間を現行の1050時間から1200時間以上に、介護福祉士は1650時間を1800時間以上に引き上げ、科目や教育時間も大幅に拡充する。社会福祉士の科目は13から19科目に。介護福祉士の場合、これまでの「基礎」「専門」の2分野で講義主体だった教育内容を、新たに「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」の3領域に再編し、演習・実習を主体とした内容に組み替える。現在は3年以上の実務経験があれば介護福祉士試験の受験資格が得られる介護職も、2012年度からはこの養成課程を6カ月以上(600時間程度)受講しなければならなくなる。 教育内容の拡充に合わせ、養成施設の指定基準や実習施設の要件も引き上げられる。(以下略)
癒しと学びの場に集まれ看護師さん
2008/3/31 * 楽患ナース * SNSを開設 セカンドオピニオンの取得など医療機関と患者・家族との間をつなぎ、患者が納得した医療を受けることを支援する医療コーディネーターの養成・紹介事業を行っている楽患ナース(東京都足立区・岩本貴社長)が3月3日、インターネット上のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を開設し、看護師の新しい仲間づくりにつながるなど盛り上がりをみせている。「同じ悩みを持つ看護師が集まる癒しの場、明日への活力と知識や技術を高める学びの場にしていきたい」と岩本ゆり取締役は設置の目的を話している。 SNSは、ミクシィなどで知られるインターネット上の会員制のコミュニティサイトだ。会員が作ったブログに他の会員が訪れ、意見を書き込んだりと情報交換できるのが特徴。「自立した看護師のSNS」がミクシィと違うのは、参加資格は看護師資格者であることと、どの会員のページにも自由に訪れることができる点だ。他にも、トピックスを設けて意見交換することもできる。 「看護の専門性をもっと発揮したいと考えていながら悩んでいる看護師は多い。それは訪問看護師など独立して事業を行う人だけでなく、病院勤務であっても同じです」(以下略)
社会福祉法人経営合理化へ合併マニュアル
2008/3/24 * 厚労省作成 * 有償譲渡の可能性検討 厚生労働省は社会福祉法人の経営の合理化を進める。社会・援護局長、経営者、識者などで構成する社会福祉法人経営研究会が「合併・事業譲渡・法人間連携の手引き」を3月末までにまとめるのを受け、新年度は具体的に推進するためにアドバイスを行う経営支援協議会を設置するモデル事業を10都道府県で行う。介護保険の導入などの相次ぐ制度改革や社会保障費の削減で、公費での丸抱えを前提にした運営が難しくなり、経営の自立を促さなければならない状況だ。今後はこれまで社会福祉法人では実績のない事業の有償譲渡についても可能性を検討していくという。(もっと読む)
退職金の資金など融資
2008/3/24 * 福祉医療機構 * 病床転換で新支援策 療養病床から老健施設などの介護保険施設への転換を促すために、福祉医療機構は4月から、今年度実施した貸付金利優遇措置に加えて、償還期間の延長や転換を受けて人員を削減する場合の退職金資金の融資など新しい転換支援制度を開始する。 同機構は、療養病床を持つ医療機関が、老健施設や有料老人ホーム、ケアハウス、グループホームなどに転換する場合に、融資条件を優遇している。高齢者専用賃貸住宅に転換する場合は対象外だ。 新しい「療養病床転換支援資金」は、現在の療養病床の増改築などのために民間金融機関から借り入れた債務や、職員の退職金などに必要な運転資金が貸付の対象で、貸付限度額は原則4億8千万円。償還期間は10年以内。利率は年1・6%(3月12日現在)で、担保、連帯保証人が必要。期間は、介護療養病床が廃止となる2011年度まで。 療養病床の整備費にかかった借入金の残高の償還期間も10年まで延長可能(合わせて30年が限度)となる。 同機構は、今年度から老健への転換分の施設整備費の貸付金利を、通常より0・1%低く設定して利用を促していたが、利用実績はゼロ。診療報酬や介護報酬も決まらない中で、多くの病院が「様子見」を決め込んでいた。(以下略)
75歳以上世帯2倍に
2008/3/24 * 国立人口問題研 30年の将来推計 * 30年の将来推計 75歳以上が世帯主の世帯は、25年後の2030年に現在の2倍に増加し、特に単独世帯は429万世帯と2・18倍になることが、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計から分かった。現行の社会保障制度は世帯が基本単位となっており、実態からずれているとの指摘もある。介護保険制度も、家族介護を前提とした在宅サービスのあり方などを根本的に見直す必要に迫られる。 06年12月に推計した将来推計人口を基に2030年までの日本の世帯数を推計した。日本の一般世帯総数は05年の4906世帯から15年には5060世帯に増加するものの、30年には4880万世帯に減少。この間の総人口は05年1億2777万人から、30年1億1522万人まで減少が続く予想だ。(以下略)
介護福祉士で生活できる仕組みを
2008/3/24 * 全国老人保健施設協がシンポ * 国と事業者それぞれ役割 全国老人保健施設協会(川合秀治会長)は18日、都内で昨年12月に施行された改正介護福祉士法を踏まえ、介護職員の将来像を考える公開シンポジウムを開催した(写真)。介護職員の確保難が危機的な状況にある中で、介護福祉士となるためのハードルを大幅に引き上げる内容に対して、「資格に見合う賃金を保障できる仕組みをつくるべき」と、介護報酬の引き上げが必要とする一方で、事業者側でも介護職員が人生の将来設計を抱けるような雇用管理モデルを提示していく必要があるとの意見が出された。 厚労省が05年に行った調査によると、老健施設は常勤介護職のうち5割近くが介護福祉士資格者となっており、介護保険3施設のなかでも最も有資格者の比率が高かった。介護福祉士法改正の影響は、老健施設全体に及ぶという問題意識がある。 シンポジウムではまず、国家資格であるのに取得しても生活を成り立たせるのが難しいほど低い介護福祉士の賃金水準について取り上げられた。 神奈川県で小規模多機能型居宅介護などを運営する柴田範子樂理事長は、「改正法では質の向上のための研修が強化されているが、ぎりぎりの人員で事業者としては研修に出す余裕がない」と話し、実務を経て受験する人にも600時間の研修を義務付ける改正内容に疑問を呈した。 同様に事業者の立場から発言した平川博之同協会研修委員長は、「協会の調査では、厳しい経営環境のなかでも介護職員の給与を毎年上げていることが分かっている。だが、人件費率も50%を超え、事業者努力はもう限界だ」と国は事業者の経営努力や介護職の”まごころ”に頼るのをやめ、労働環境改善に向けた抜本的な支援策を打ち出すべきと訴えた(以下略)
宅老所の有料老人ホーム届け出
2008/3/24 * 「居住」の判断難しく * 実態多様で自治体苦慮 2006年度の老人福祉法改正で、有料老人ホームの定義が「1人以上入居し、食事、介護、家事など何らかのサービスを提供していること」に変わり、いわゆる宅老所など民家を活用した小規模施設にも当てはまるようになった。厚生労働省は、「入居者保護の観点から届け出は必要」と、実態把握に努めて届け出を受理するよう指導してきたが、該当するかどうかの判断に苦慮している自治体は少なくないようだ。「多様な実態があり、そもそも有料老人ホームと同じ基準で指導することに無理がある」という声も少なくない。いくつかの自治体に現状を聞いた。 沖縄県では1月11日、老人福祉法の改正に伴い有料老人ホームの設置届け出が必要となった施設の「当面の処理方針」を決めた。もともと定めていた県の有料老人ホームの指導指針では、居室はプライバシーが確保されるドアのついた「個室」で、なおかつ10・65平方m以上が原則となっている。これを満たさなくても有料老人ホームとして届出を受理できるようにする方針を示したものだ。 県では、06年度の法改正以降、新しい有料老人ホームの定義に当てはまることになった10人以下の小規模施設に対し、届け出を行うよう指導してきた。しかし、事業者側から提出された書類では、指針の基準を満たさない民家改修型が大半。結局、届け出されたうち121件が受理できない状態となっていた。(以下略)
業務管理体制を義務化
2008/3/17 * 改正介護保険法案 * 「事業者」の責任強化へ 政府が4日閣議決定した改正介護保険法案はコムスン事件の反省を踏まえ、法人である事業者への指導と利用者保護などを強化した内容だ。具体的には、事業者に対し、法令遵守を徹底するための「業務管理体制」の整備を義務付け、違反があった場合には立ち入り検査や改善勧告、命令ができるようにする。事業所が廃止・休止した場合のサービス継続については、これまでは法律上無策といえる状況だったが、利用者のサービスの継続のための調整を事業者に義務付ける。廃止届けも事前届出に変更し、行政も関与できるようにした。(もっと読む)
障害者自立支援法の新報酬単価案
2008/3/17 * 通所サービス引き上げ * さまざまな緩和措置盛る 厚生労働省はこのほど、障害者自立支援法に基づく4月からの新報酬単価案を明らかにした。来年度は与党プロジェクトチームの報告書を受け、緊急措置による事業者支援が強化されるため、通所サービスの単価引き上げを始めさまざまな緩和措置が講じられる。主な改正項目を取り上げる。 ●通所サービス4・6%アップ、定員超過減算も緩和 通所サービスは利用実績に応じた「日額払い方式」。欠員などによる利用者数の確保が不安定なことから、支援費制度と比べて大幅に減収となったところが多く事業者から最も不満があった点だ。08年度末までは従前報酬額の9割を保障する激変緩和措置を講じることになっていたが、根本的な問題は解決されないとして、来年度からは単価設定にかかる「利用率」を見直し、単価そのものを4・6%ずつ引き上げることになった。 児童デイサービス、宿泊型・訪問型の自立訓練以外の通所系サービスすべてが対象だ。 また、定員を超えた場合の利用者の受け入れ基準も緩和する。具体的には過去3カ月間の延べ利用者数が、定員に開所日数を乗じて得た数の125%増しまで、あるいは1日あたり定員の150%増し(定員50人以下の場合)までの受け入れを可能とする。(以下略)
総合的に診る医師養成 日本老年医学会が専門医対象に研修会
2008/3/17 * 250人が12項目を履修 * 診療報酬改定を受けて 後期高齢者を総合的に診ることのできる医師の養成が急務――。4月から始まる後期高齢者医療制度をにらんで、日本老年医学会の関東甲信越支部は3月1・2日、学会の老年病専門医を対象にした研修会を都内で開催した。後期高齢者を総合的に診る医師に対しては、専門の研修を受けることが促されており、学会の専門医がその研修の講師を務められるよう体制を整えるねらいだ。2日間で約250人が受講し、入院医療で評価される総合的機能評価(CGA)の実施方法や検査値の読み方、在宅医療のあり方など12項目を履修した。 新制度では、高齢者を総合的に診る医師がキーマンと位置付けられており、国は医療機関の医師がその役割を果たせるように、後期高齢者について一定の知識と診断技術を学ぶ研修を受けるよう促している。 日本老年医学会は、老年病の研究者や専門家からなる団体。新制度に関連して一般の医師向けの研修が動き始める際には、学会の認定資格「老年病専門医」が講師を務められるよう体制を整えておこうと、昨年末から支部単位で研修会を開催している。3月には関東甲信越支部が研修会を開催。同支部に登録している専門医約560人のうち約6割の受講を目標にしている。 同学会の理事長で、社会保障審議会医療保険部会委員の大内尉義東京大学大学院教授は、「後期高齢者を診るには特殊な診療能力が求められ、トレーニングが必要。今後一般医を対象にした研修を行う際に講師になっていただくのがこの研修会のねらいだ」と述べた上で、先ごろ決まった診療報酬から新制度に関する項目を紹介した。「総合的機能評価(CGA)の導入や入退院時の地域連携など、点数の多寡はともかく老年医学会がこれまで主張してきたことがかなり取り入れられている」と制度の方向性を評価した。(以下略)
予防マネジメントとサービスプログラムを開発
2008/3/17 * 地域保健研究会 地域保健研究会(田中甲子代表)はこのほど、2006年度に行った調査研究事業をもとに、予防訪問介護の利用者を対象とした「予防マネジメントとサービスプログラム」を開発した。予防給付で位置付けられている運動器・口腔機能向上、栄養改善の3つの予防メニューは通所サービスだけで提供される仕組みとなっているが、要支援者は訪問介護だけを利用するケースも多い。単にヘルパーと一緒に家事を行ったり、身体機能を向上させるのではなく、本人ができる行為を増やすことを目指しているのがポイントだ。地域包括支援センターが行う予防アセスメントツールを始め、ヘルパーが実施する予防メニューのプログラム化、評価方法まで一連のプロセスを提案している。 「『在宅版』介護予防プログラム」の開発にあたっては、①マネジメント、②運動機能・生活向上、③栄養・食改善、④口腔機能向上、のそれぞれについて専門職が中心となった研究班を編成してプログラムづくりを行った。地域包括支援センターでマネジメント全般を担うプロセスは現行制度上と変わらないが、利用者が日常生活を送る上で「している・していない」「できる・できない」行為をより詳細に把握できるよう、現行の基本チェックリストに新たに30項目を追加し、提供する予防プログラムの重点領域がひと目で分かるようにするなど、独自の帳票類を作成したのが最大の特徴だ。(以下略)
介護人材確保に団塊の世代を呼び込み
2008/3/17 * 早稲田福祉専門学院など * ”効率”から社会貢献へ 2年制の介護福祉士養成コースを開講している早稲田福祉専門学院(東京都新宿区・寺本雅夫学院長)と埼玉県の団塊世代活動支援センターは6日、さいたま市内で団塊の世代をターゲットに絞った介護の仕事の紹介セミナーを初開催した。景気の回復傾向など”成り手”の減少から福祉系専門学校の定員割れが進んでいる。今までの効率とスピードばかりが求められる仕事と違う介護の仕事に魅力を感じているビジネスマンも多いようだ。 早稲田福祉専門学院は、1992年に創立。1学年66人の2年制で介護福祉士養成コースしかない小規模な専門学校だ。以前から、積極的に社会人学生を受け入れており、現在も19歳から63歳までが一緒に学んでいるという特徴がある。2007年4月に団塊世代の地域活動支援などを目的に設立された埼玉県が運営する団塊世代活動支援センターと中高年の再就職、転職支援の点で思惑が一致し、今回のセミナーの実施につながったという。 セミナーでは同学院の今泉夕佳事務局長が団塊の世代は「3度介護に出会う」とし、親の介護、自分の介護予防とともに「地域社会貢献として仕事として介護にかかわる選択肢もある」と介護の仕事を紹介。「06年度の全国の有効求人倍率は1・02。一方、埼玉県の介護関連職は2・39。学院の卒業生は50代でも正規職員として採用されている」とアピールした。(以下略)
介護療養病床の8割を維持
2008/3/10 * 新型老健の介護報酬を答申 * 社保審分科会 社会保障審議会介護給付費分科会は3日、療養病床からの転換の受け皿とする新しい類型の介護報酬を諮問どおりに答申した。通称は「介護療養型老健」。同省によるモデル試算では、介護療養病床と比較して8割程度の水準。必要な医療行為を積み上げて報酬設定しており、懸念されていた医療難民はでないというのが同省の考えだ。しかし、保険者側にとっては転換による財政の削減効果は当面は見込めない数字といえる。来年に迫った保険料改定は難航が予想される。(もっと読む)
介護保険担当課長会議開く
2008/3/10 * 医療療養転換は別枠で * 施設サービス量見込み 厚生労働省は2月27日、全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議を開催した(写真)。療養病床からの転換分を受け入れながらの第4期介護保険事業計画の策定、事業所の事務負担軽減、ヘルパー1級課程の2012年度の廃止など、老健局の各担当課から重点事項について説明が行われた。 療養病床の再編の道筋が見えない中で、都道府県、市町村は来年度中に第4期介護保険事業計画を策定することになる。最も課題になる施設サービス量の見込みについて、14年度の目標数を要介護2以上の認定者数に対する割合を37%以下とする原則は変えず、医療療養病床からの転換分は別枠で受け入れるようにすることなど考え方を示した。また、介護予防事業については来年度は事業の効果を評価する年にあたることから、評価結果をもとに推計値を見直す方針を示した。 介護療養病床は第4期事業計画の終了年である11年度末で廃止。医療療養病床は医療費適正化計画で都道府県が設定した12年度末の必要数がベッド数のマックスになる。必要数を超えた医療療養病床から介護保険施設の転換数については、無条件に認める方針がすでに示されており、介護保険事業計画はこれらを織り込んで策定することになる。 具体的には、施設数の見込みの基本的考え方である「14年度の目標数を要介護2以上の認定者数に対する割合を37%以下」の原則は変更せずに、必要数を超えている分の医療療養病床のベッド分を施設見込み数の「外数」として扱うよう求めた。市町村が指定する地域密着型のサービスに転換する場合も、必要利用定員数を理由にした指定拒否の仕組みは適用しない。つまり、「原則」以上の介護保険施設を介護保険が抱えることになり、特に、療養病床の過剰地域では介護保険料が高騰することが懸念される。(以下略)
介護保険料の賦課方式 保険者9割が「問題」
2008/3/10 * 厚労省調査 厚生労働省は2月29日に開かれた「介護保険料の在り方等に関する検討会」で全国の保険者に対して行った介護保険料についてのアンケート調査結果を提出した。9割の保険者が将来的に現行の賦課方式では問題が生じると考えていることが分かった。しかし、「見直すべき」と「現行のままでよい」とする回答はほぼ5割で拮抗しており、早急な賦課方式の変更には疑問符がついた。見直す場合の方式としては、「現行の段階別定額制の拡大」と「『定率制+定額制』あるいは「定率制のみ」」が4割程度で並んだ。 現行の第1号の介護保険料は定額制を基本に、低所得者に配慮して所得区分に応じた階段状の「段階別定額制」で設定されている。住民税の課税状況と連動した仕組みになっているが、世帯内の被保険者本人以外の課税状況により保険料が変わってくること、近年の税制改正で所得に変化がなくても保険料が急増するケースがあるなどの問題点が指摘されていた。今年4月に創設される後期高齢者医療制度は「定率制+定額制」で、保険者には住民の理解が得にくくなりかねないという懸念もある。前回の検討会で、当面は「段階別定額制」の所得区分を保険者の裁量で細かく設定することになったが、抜本的な改革は引き続き検討課題になっている。(以下略)
訪問看護報酬・制度改正「3団体協同」を宣言
2008/3/10 * 日本看護協会など 日本看護協会と日本訪問看護振興財団、全国訪問看護事業協会の3団体は3日、今後の訪問看護分野での介護報酬の改定・制度改正への提言活動や研究・教育事業を共同して行っていくことを明らかにした。中重度者の在宅生活の継続に不可欠なサービスとして必要性が増している訪問看護ステーションだが、事業所数は伸び悩んでいる。訪問看護の制度や経営上の課題を解消しなければ需要に応えられないとして、3団体が力を合わせて取り組んでいく考えだ。訪問看護師の支援方法の体系化や教育について、これまでは各団体別々に実施していたものを共通の理念の元に再編し、来年度から本格的に活動を開始する。 3団体は3日、都内で研究報告会を開き、その場で「訪問看護活性化のグランドデザイン」を発表した。10年後の2018年に誰もが安心して在宅での24時間365日の療養生活を送ったり、看取りができるようなサービス供給ができるようにすることを目指す将来像を提示。これを実現するために訪問看護分野での制度や経営上の課題、人材育成などの教育事業に取り組んでいくことを宣言した。 具体的には、①訪問看護のニーズの適正な把握と整備目標を設定、②事業経営の安定化のための方策の検討、③訪問看護ステーションの電話対応や記録・請求業務、衛生材料の供給などを地域で一括して請け負うセンター設置の検討―― の3項目だ。(以下略)
”ローカルルール”に負けない!
2008/3/10 * 東京都介護支援専門員研究協議会 * 事例集め改善につなぐ * 異なる行政指導に対抗 給付適正化の流れと相まって都道府県や市町村による指導が年々厳しくなっていることに、泣かされているケアマネジャーは少なくないだろう。利用者の実態を勘案せずに書面だけで判断する画一的な指導も不満の種だが、さらに厄介なのは自治体ごとに解釈が違う、いわゆる”ローカルルール”の運用がまかり通っていることだ。こうした状況を改善しようと、東京都介護支援専門員研究協議会(鈴木博之理事長)では、給付算定についてケアマネジャーが保険者に照会した事例を集めて、保険者間の解釈の差異を明確にしていく活動を始めた。「真に必要性のあるケースについてはきちんと算定がされるよう、少しずつでも事例を積み上げていけば、共通ルールを増やすことができるかもしれない」。ケアマネジャーが利用者のために働くことができる環境をつくりたいと意欲を見せている。 同協議会がこのほど作成したのは「介護給付に関するFAX報告フォーム」だ。ケアマネジャーの名前と連絡先のほか、介護報酬の算定に関する疑義について保険者に問い合わせた内容や、指導検査で不適切と指導を受けたものの疑問点が残った場合など、保険者とのやりとりを具体的に書き込むようになっているA4サイズ1枚の様式だ。 同居家族がいる利用者への生活援助の適応や通院介助の算定の解釈など、各保険者や都道府県が行っている指導内容にバラつきがあることは以前から指摘されている。報告フォームは、そうした事例を集めるためのものだが、単なる実態把握が目的ではない。(以下略)