訪問での4年間、デイサービスでの3年間、そしてまた訪問へ
ご利用者さんの生活環境を知ることで、見えてくるものがいっぱいあります。
オフィス内。アットホームな雰囲気。すぐに声をかけやすい距離に席があるのも◎!
―腹をくくられて働かれた訪問での4年間。どうでしたか?
目の前のことをこなすのに必死な日々でした。訪問するお宅は一緒でも、毎回違うことが起きるので、慣れるということはなく。ひたすら一生懸命、そこに留まっていた気がします。ご利用者さんのことを考えて、その方に合った動きをするというのは、あまり出来ていなかったんじゃないかなあ。大変なことは多々ありましたが、また次回足が向いてしまう、そんな“何か”が介護にはあったんだと思います。
奥には、靴を脱いでくつろげるスペースが。食事や休憩をするみんなの憩いの場。
―なるほど。その“何か”が本間さんにとっての“やりがい”でもあったのでしょうね。訪問を経験された後は?
デイサービスに転職しました。その頃、介護福祉士も視野に入れていて、子供も大きくなり長時間働ける場所を、と探して見つけたのが、新規オープンのデイだったんです。そこでは常勤で3年ほど働きました。
こちらが本間さんの席。しっかり整理整頓されている。阿部選手のマグははずせないアイテム!
―どんなデイサービスだったんですか?
そこは“男性向け”という、少し変わったコンセプトのデイで。デイにいらっしゃる男性って、周囲に溶け込めず、端っこの方でポツンとしている方も結構いらっしゃるんです。家に引きこもりがち、人とあまり打ち解けられない、そういった男性に焦点を当て、立ち上げられたデイでした。プログラムが囲碁や将棋、麻雀などがメインだったんですよ。
サービス提供記録表。書式形式になっていて、チェック項目も細かい。
―それは面白いコンセプトの事業所ですね。デイのお仕事をされてどんな印象を?
短時間の訪問では分からなかったご利用者さんの色々な背景が見えてきて……。興味深かったです。「自分は家にいたいのに、何でここに来なきゃいけないんだ」というご利用者さんも中にはいらっしゃって。長時間一緒に関わるからこそ見えてくる、その方の生活環境や家庭環境を知ることで、提供するサービスの質や内容もいい方向に変えられるんじゃないかな、とも思ったりしました。
だんだん親しくなってくると、ご利用者さんも色々な話しをしてくれるのですが、聞くことはできても、内容によっては立ち入れないプライベートなこともあります。そこはきちんと線引きが必要だなということも学びました。最初のスタートは対一個人。大先輩を相手にするので、最低限のマナーというか、馴れ馴れしくしすぎないといったような部分は常に意識していましたね。
シフトは一目で分かるようにボードで管理。
―親しき仲にも礼儀ありですね。訪問、デイと働かれて、今また訪問である『アップルケア』に転職されたのはなぜですか?
デイに来られているご利用者さんの中には、訪問を利用されている方も多くいます。その方達が、訪問サービスを受けている時に感じた不安や不満をよく話してくれていました。聞くと「その対応って違うのでは?」と思えるようなことも結構あって。自分も現場経験があるからこそ、今の訪問現場の実情みたいなものが気になってしまって。そこで勉強も兼ねて、自分の目で確かめてみようと、訪問でまた働くことにしました。
―今働かれているこちら、『アップルケア』を選ばれたのは、どういった経緯で?
介護福祉士と同時に福祉用具専門相談員の資格も取っていたので、それも合わせて勉強できたらいいなという想いがありました。調度、福祉用具を立ち上げる予定があるというこちらの募集を見つけて。でも実際は、まだ福祉用具の部門はないんですよ。まずはデイと訪問をしっかり、という方向性に変わったので。
―ということは新しい会社なのですか?
はい。2013年3月に立ち上がったので今年で2年目です。私が入社したのは昨年(2014年)の夏だったのですが、その頃はまだ体制が定まっていない状況で、色々と大変でした(苦笑)。また、入ってから3か月後にサ責のお話をいただき……。とても目まぐるしくこの1年が過ぎたという印象があります。
―サ責のお仕事はやられてみてどうですか?
『何でも屋さん』じゃないですけれど、本当に色々な仕事があって、正直、こんなに大変なのかと驚きました。その分、やりがいはあるのですが。当初、根をつめてやっていたせいか「潰れないでね」というお声がけもいただき、『これじゃいけない』と思いましたね。サ責をしている人が大変だ、大変だ、と言っていたら、誰もサ責をしたい、と言ってはくれなくなるだろう、と。『サ責になりたい!』と思ってもらえるような形を、自分が示していかなければと今は思っています。なので、出来る限りメリハリをつけて、『こういうやり方をすれば、ここは省ける』とか考えながら、スマートに仕事ができるよう心がけています。