これからの夢
みんながトップと思えるようなプロの集団をつくっていきたいです。
事業所オリジナルのポロシャツは色バリエも豊富。でも基本は私服でOK!
―『介護グループふれあい』にて、障がいを持つご利用者さんと多く接してきて、外崎さんなりのケアする際のポリシーみたいなのはありますか?
そうですねぇ…。介護者の経験から失敗すると分かっている事でも、利用者さんが本当に望んだ事は何でも実践し、一緒に失敗を積み重ねるのも介護者の大切な役割の一つだと思っています。
今年(2014年)7月にオープンしたばかりの障がい者就労継続支援B型事業所ワークスペース『hinata』。
北欧風のインテリアで揃えられており、作業机も広々。
―というと?
例えば、難病の方であるほど、安全な生活を優先しすぎて本人のやりたいことが出来ていないケースも多いんです。保護者の方とご利用者さんの意見が食い違うパターンですね。そんな時は、出来る限りご利用者さんの意思を尊重して、失敗すると分かっていながらも、要望に合わせた行動をとることがあります。結果、保護者からお叱りを受けることもしばしばですが(苦笑)、ご利用者さん本人がやって良かったと思えるのであれば、OKなのでは?と思うんです。自立を目指した支援をさせていただいているわけですから、何でも安全第一で、出来ないと諦めてしまうのはちょっと違うんじゃないかなって。失敗することも人生の醍醐味。そう思って自分にあまりストッパーをかけすぎないようにしています。
みんなで絵を書いたり、色を塗ったり。グッズもいっぱい。
―なるほど。ご利用者さん目線に立って行動する、とてもステキな考え方ですね。では、今後の夢やライフプランってどんな風にお考えですか?
まずはもっとオシャレにしていきたいです。どうしても福祉には「くさい、汚い」といったイメージもあるそうなので、そうした印象を変えていくためにも、服装や見た目も大事なんじゃないかな、と。基本ご利用者さんが大丈夫であれば、どんな服装でもOKなわけなので、一生の大半をスーツで過ごして肩を凝らせた方々に、福祉はこんなに自由だよ~とアピールしつつ、少しでも興味をもってもらうきっかけになればいいな、と。あとは事業所として、居心地よい連帯感を高めていきつつ、「みんながトップ」ぐらいの意識を持てる集団になれればいいなと思います。訪問介護の現場は1対1じゃないですか。そこには上下関係もなく、その人の判断力によるところが大きい。だからこそ、全体像を把握しながら、残存能力を活かした生活提案が求められるわけです。そうした、適切な判断ができる介護のプロをもっと増やしていきたいです。
憩いスペース。ご飯を食べたり、雑談したり、思い思いに過ごして。
―思い描く夢は大きいですね。最後に、外崎さんにとって介護という仕事の醍醐味って?
「大変だからこその楽しさ」それが大前提です。その方の人生を見るという仕事は、1日たりとも同じ日なんてありません。波にもまれながらの毎日にやりがいを感じられるか、だと思います。また、障がい者の方は逆境に立つからこそ、自分の生き方がよく分かってもいるんです。明確な課題を目の前に掲げ、必死に壁を乗り越えようと努力する姿を見ると、応援したい気持ちとともに、自分ももっと頑張らなければと励まされます。そうした人生の生き方を考えるきっかけを与えてくれるのも、この仕事の醍醐味かもしれません。
編集後記
キラキラ輝いてい眩しい!それが外崎さんの第一印象です。弾けるような笑顔に、若さあふれるフレッシュさ、そしてとっても美人さん。お話を伺うと、23歳とは思えないほどしっかりしていらっしゃって、介護界の現実と今後を見据えた意見や考えに、こちらも刺激を受けました。障がい者の方や地域の人が自然と集まって交流を持てるカフェみたいな場所を作りたい、その第一歩が、7月にオープンしたワークスペース『hinata』だそうです。外崎さんのような流行に敏感でこれからの未来を担う若い世代ならではの価値観で見いだされるものが、介護とミックスされて今後どんな変化を遂げていくのか、とても楽しみです。
今回、取材にご協力いただいた外崎敦子さんをはじめ、『一般社団法人 介護グループふれあい』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同