介護の仕事を始めるきっかけ
職業訓練校で出会った、恩師の存在が大きいです。
サンライフ長嶺訪問介護事業所の全景。施設横には広い駐車場も。
施設の外壁にはキレイな花が咲き乱れている。
―中原さんが介護のお仕事につくきっかけって?
以前は、工場や夜のバーなどで働いていました。お店を持ちたいなどの目的があって働いていたわけでもなく、特に目標がないまま日々働くなかで「このままでいいのかな?」と、ふと将来に不安を感じたんです。ちょうど25歳という人生の分岐点にも立ち、〝自分が変わるきっかけ”を求めていた時期でもありました。そんな時、たまたま友人に付き添って行ったハローワークで、ヘルパーの職業訓練募集を見つけまして。そこで、何か変わるきっかけになるかも…と、応募してみたのが当初のきっかけです。
入口は広く、雨に濡れない大きな屋根も。緑と赤のカラーが印象的。
中原さんの上司である富永さんのお母様は、かつての施設長。その当時、直筆で書かれた施設理念。
―ということは、介護に興味を持っていたから応募したわけではなく?
そうですね。本当に最初は変わるきっかけ欲しさに、でした。でも応募者70人中20人の受講者に選ばれて、これも何かのご縁だと思い、気合いを入れて通うことを決意しまして。それから半年間、毎日猛勉強。たぶんあの時が一番頑張ったんじゃないかな。昼は訓練校に通い、夜はバーで働き、精神的にも肉体的にもかなりハードな生活でしたが、「自分もやればできるんだな」っていう大きな自信にもつながりました。
受付横にはレトロな電話機が!
―そうだったのですね。実際学校に通われてみて、介護に対してどんな印象を受けました?
その時は本当に大変なお仕事だな、と思いました。でも、レクリエーションが好きだったので、デイサービスなら私にもできるんじゃないか、とも。それでもその時点では「介護をやりたい!」という確証には至らず…。そんななか、この仕事に就いた理由は、そこで出会った恩師の存在が一番大きいです。
太陽光も入り、広々と開放感のある食堂。憩いスペースもあり。
―その方はどんな方だったのですか?
職業訓練校の校長先生で、すごく情に厚い方でした。自分のことを思って、厳しいことも言ってくれましたし、褒めてもくださった。校長先生に出会って、人生色々考えさせられましたね。心に残るステキな言葉もたくさんいただいて。それにかつて、農業高校の先生もされていたようで、花植えを各地無償でなさっているのも聞いて、見返りを求めず人のために何かできるってすごいな、と人としてもすごく尊敬していました。
杖を使うご利用者さんが座る食堂の椅子脇には、自家製の杖立てが。
―その方との出会いが介護の道に進む強いきっかけに?
はい。半年間の講座を終え、じゃあ次どうする?となった時、真っ先に考えたのはこの方に恩返しできることは何だろう、ということでした。それはやはり、ここで学んだことを仕事に活かして「頑張っているよ」と先生に胸を張って言えることかな、と。それで介護の仕事をやってみようと決断できたのもありますね。だから恩師であるその方が、私の変わるきっかけでもあります。