違う職種から介護へ
最初は軽い気持ちだったのが、だんだんと楽しく思えるようになりました。
事業所入口付近には、事業サービスを告知するパンフやチラシが。
―阿部さんがこの仕事に就くきっかけは、ヘルパーでいらした伯母さんの存在があったから、とお聞きしました。
はい。もう10年以上も前になりますが、当時、仕事を辞めたばかりで、しばらく何もしていなかった時期がありまして。その時にヘルパーをしていた伯母が「やってみれば?」と声をかけてくれたんです。調度その頃、祖母の看病を母親と伯母がしている姿を間近で見ていて、小さい体の伯母が何でも1人で素早くこなしている姿に、すごいなとも思っていたので、「じゃあやってみようかな」と。でも当時は本当に軽い気持ちでしたね。
夜間ケアのシフトスケジュールを確認。時間刻みにびっちり。
―では、伯母さんと同じ職場で働かれたり?
いえ。とにかく時間があったので、まずは資格を取ろうと松戸市主催の講座に参加し、ヘルパー2級の資格を取ったんです。そのままその時の実習先で働ければいいなと思い、その講座を引き受けていた事業所に「空きはありますか?」と聞いて。そしたら空きはないけれど「いいよ」と言っていただき、就職先が決まりました。ですので、伯母とは仕事上の接点は特になかったです。
ワンフロアに阿部さんがいる特命担当室の他、ケアマネやサ責など多数部署がある。
―そうだったんですね。今までと違う職種のお仕事に就いてみてどうでしたか?
希望していたデイサービスに入ったのですが、体操をやったり、歌を歌ったり、最初は何だか気恥ずかしかったです。でも時間が経てば慣れるもので。何よりご利用者さんが楽しそうにしている姿は嬉しかったですし、スタッフ同士が和気あいあいと仕事をするいい職場だったので、だんだんと介護って楽しいなと思えるようになりました。
自動車での訪問が多いため、安全運転のスローガンも貼られている。
―当初は軽い気持ちで初めた介護の仕事も、やってみたら案外違和感なく?
そうですね。全部新しいものをみる感じで、新鮮な気持ちで向き合っていたように思います。おむつ交換とか排泄介助も抵抗あるかなと思っていましたが、「あら意外と大丈夫!」とすんなり受け入れることができました。
―その後、訪問のお仕事をするまで、そのデイサービスで?
いえ。その後、養護老人ホームへ転職しました。介護といっても、色々な形があるので、他の所はどうなんだろう?と興味が湧いてきて。私が勤めたホームは、体が動ける人たちが多かったので、介護が本当に必要な部分だけをお手伝いする形でした。どちらかというと、寮母さんのようなイメージに近いかもしれません。デイサービスとは違って、その人らしい過ごし方をされるご利用者さんを見て、こういう介護もあるんだな、と。そこでは1年半、その後、訪問事業所に移動して4年、そして今の市川市福祉公社に移動してきました。