知りたい!介護サービス 堀口直孝
サービスを受ける人も提供する人も、『気持ちよく』が合言葉
「知りたい!介護サービス」では、経営コンサルタント
でもある堀口先生が、介護サービスとの上手な
付き合い方をご紹介いたします。
介護コラム
第12回 平成24年度介護報酬改定等に伴う重要事項説明書の変更内容を明示した書類作成・説明・同意・交付について!(訪問介護)
今回の介護報酬改定などにより変更手続きが発生するものも少なくありません。
そのなかでも、改正内容が施行される前に準備・整備ができていなければならないものとして、下記のものがあります。
■ 「重要事項説明書」の変更内容を明示した書類交付・説明・同意(利用継続中の利用者向け∗1)
契約の際に説明・交付された重要事項説明内容に変更が生じた場合は、事前に変更点について利用者へ説明し、同意(承諾署名捺印)いただくことになります。新設された「介護職員処遇改善加算」や「生活機能向上連携加算」、そして「地域区分見直しによる利用者の負担金の変更」などは、利用者にとって負担金に変更が生じるような重要事項にあたるため、事前に重要事項を記した文書を作成し、運営基準で定められた手順が必要となります。
※1 報酬改定が行われると、運営基準上必要な事務処理が発生します。
≪根拠法令通知等≫
◆内容及び手続の説明及び同意(省令37号 8条/老企25号 第3の3(1)) 『指定訪問介護の提供の開始に際して、あらかじめ利用者等に運営規程(サービス内容や利用料等)の概略など、重要事項を記した文書を交付、説明し同意を得なければならない。書面による確認が望ましい。』 ※2 今回の報酬改定も同様です。
◆初回加算等を算定する場合の利用者同意について(平成21年4月改定関係Q&A(Vol.1)) 『その都度、利用者から同意を必要とするものではないが、居宅サービス基準第8条に基づき、事前にそれぞれの加算の算定要件及び趣旨について、重要事項説明書等により利用者に説明し、同意を得ておく 必要がある。』
■サービス利用の「(契約書)重要事項説明書」の変更(これからの新規利用者向け)
前記の加算内容等が、「重要事項説明書の利用料金を記した条項」に加筆・修正される他、「2級訪問介護員のサービス提供責任者(サ責)配置減算」や「同一建物に対する減算」、新たな取得による「特定事業所加算」についても、該当する事業所については当該減算等についても加筆・修正が必要とされます。
また、特定事業所加算を新たに取得した場合は、取得基準である体制要件等の内容が加筆されます。
■運営規程の変更(変更箇所は重要事項説明書などと同様)
更箇所は、重要事項説明書と同様となります。本来は、運営規程が変更されると変更届が必要となりますが、介護報酬改定に伴う変更については、各都道府県の意向に従うことになります。ただし、新たな「特定事業所加算」の取得や「身体介護の20分未満」を算定する場合などによる変更については、変更内容を盛り込んだ運営規程を作成し、都道府県へ変更届の提出が必要となります。
上記項目などがありますが、皆さんの事業所では遅れることなく準備・整備ができていますか?!
今回は、各事業所で共通して変更される「利用料金の関連条項」について、弊社(ふれんどりーホームサービス)の修正後の重要事項説明内容を参考資料として掲載してみました。
変更箇所は、赤字で表示してあります。
参考資料
訪問介護重要事項説明書
「利用料金」
当該指定訪問介護が法定代理受領サービスであるとき(介護保険給付サ-ビスとして適用される場合)は、原則として次の料金(料金表)の1割です。ただし、介護保険の給付の範囲を超えたサ-ビス利用は全額自己負担となります。
※3 掲載料金は東京特別区(特別区は単価変更もあり)によるものです。皆さんの事業所に該当する地域区分の(@1単位)単価で計算して、修正をしてください。
- ※①及び②の基本料金に対して、早朝(午前6時~午前8時)・夜間(午後6時~午後10時)帯は25%増し、深夜(午後10時~午前6時)は50%増しとなります。
- ※サービス内容に特段の変更がない場合の料金設定に係る所要時間は、実際のサ-ビス提供時間ではなく、訪問介護計画に定められた標準的な時間を基準とします。
- ※やむを得ない事情で、かつ、お客様の同意を得て2人で訪問した場合は、2人分の料金となります。
(例)・体重の重い方に対する入浴介助等の重介護サ-ビスを行う場合
・暴力行為などが見られる方へのサ-ビスを行う場合 - ※まだ、居宅サ-ビス計画が作成されていない場合は、償還払いとなります。償還払いの場合、お客様が保険給付の申請を行うために必要となる「サ-ビス提供証明書」を交付します。
※4 上記内容の他に加筆・修正が必要となるものとして、次の加算・減算等の要件に該当する場合です。
- 「特定事業所加算」
- 「2級訪問介護員のサービス提供責任者(サ責)の配置減算」
- 「同一建物に対する減算」
- 「身体介護の20分未満を算定する場合」 など
バックナンバー
- 【第11回】 生活援助・介護予防の報酬改定により3~4%の減少か!?改定以降の訪問介護事業収入をシミュレーション。
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- 【第8回】 平成21年度介護報酬改定等に伴う 契約書等における重要事項説明内容の変更について!
- 【第7回】 平成21年度介護報酬改定(訪問介護)により介護従事者の処遇や事業経営の改善は図れるのか?!
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堀口 直孝
シルバーケア・サービス豊住 顧問
経営コンサルタント
プロフィール
看護婦家政婦紹介所の上部団体である(社)日本臨床看護家政協会の管理者として家政婦の職場確保を支援するための事業の開発推進にあたる。
平成6年 健康保険法の改正により病院の付き添い介護が廃止されたため、家政婦たちの職場を在宅へシフトするためのモデル事業の実施会社を同協会内に設立。
同社において在宅介護サービスを立ち上げ、東京都11区よりホームヘルプ事業を受託、介護保険制度施行後、指定事業者として管理、運営を行う。
平成14年 (株)ふれんどりーホームサービスを設立し、東京都千代田区を中心に訪問介護、居宅介護支援事業を実施するかたわら、同事業のコンサルタントも行う。平成30年より現職。