「訪問介護ステーションのじま」の今後と各々の展望
医療ニーズの高いご利用者さんが増えるなかで、今まで以上の知識と対応力が問われます。
ご利用者さん宅へ行く時の指定バッグは、プーマのスポーツバッグ。頑丈で壊れにくく、軽い!
バッグの中には、エプロンが2枚。身体介助用と家事援助用で使い分けている。
―『訪問介護ステーションのじま』は母体が野島病院ということで、ヘルパーステーションだけでなく、様々な分野が総合的に揃っているとお聞きしました。
横山-はい。まず訪問看護ステーションが同じフロアに。下の階には、ケアマネ、障がい者の支援センター、地域包括支援センターといった相談部門が入っています。また、デイと老人保健施設が病院と併設してあります。本当に幅広く網羅されています。
米田-10月から包括ケア病棟が出来るので、入院から退院を見越した、医療と介護の総合的なケア構築も始まります。それに伴い、重度者をはじめとした要介護高齢者の在宅生活を24時間支える“24H定期巡回型サービス”にも力を入れていかなくてはいけません。病院と繋がっていることで、今後はますます医療ニーズの高いご利用者さんが増えてくると思うんです。
横山-ですよね。だからこそ、それに対応できる知識と経験もより必要になります。すでに、病院や支援事業所との連携も多く、医療面で分からないことがあれば、訪問看護師さんにすぐ相談できるのも、ここならではの強みかもしれません。
吸水性抜群のミニタオルを常備。ご利用者さんごとに違うタオルを使用するため、毎日何枚も持ち歩いている。
介護中に出たごみは、マイごみ袋に入れて持ち帰る。そのためスーパーの袋は必需品。
―なるほど。今後ますます医療との連携が問われる、ということですよね。現在もわりとご利用者さんは重度の方が多いですか?
米田-はい。介護度4、5の方が3割を占めます。第一号研修、第三号研修を受け、喀痰吸引、経管栄養が出来る職員が8名おり、ALSの方にも対応しています。病院からの受け入れ、ターミナルなども総合的に見ていかないといけない現場が多々あります。
こちらも必ずバッグに入っているアイテム、除菌ジェル。各々マイボトルに詰め替えているのだとか。
事務所内に貼られていたカレンダー。「好きだからがんばれる」スタッフ皆さんの気持ちを代弁しているかのよう。
―だからこそ、先程横山さんがおっしゃった色々な現場に対応できる人材育成が必要なわけですね。では、今後お二人が思い描く、それぞれの展望をお聞かせください。
横山-私は今、サ責になって1年ぐらいなんですけれど、経験不足をものすごく感じています。指導する立場としてもまだまだだなあ、と。人生経験豊富な年配の方が多いなかで、自分もそこを補っていかなければいけないプレッシャーも感じつつ、でも逆にアドバイスを一杯していただける環境であることをプラスに考えて、今後も一つずつ経験を積み重ねていけたらいいですね。あとは初心忘れず! 介護は『手を抜くところがない仕事』だと思うんですよ。慣れが生じてくると、ついいい加減にもなりがち。それは絶対避けたくて、細かい部分にまで目が行き届き、常に心配りのできる人でありたいです。
米田-やはり今後の医療連携に対応できる力を自分自身が身に着けることですかね。そのための人材育成も大事です。ターミナルの方もいるので、何かあった時の対応に間違いがあったらダメですから。そこはどんどん厳しくなっていきますし、まずは自分でしっかり勉強しておかないと、他のヘルパーにも指導ができません。例えば、病名や薬の種類について。この薬を飲まないとどうなるのか、薬の内容や飲み合わせについても知識が必要です。そんな風に、担当のご利用者さんのために“出来ること”を考えて今後も行動していきたいです。
編集後記
今回はサ責&主任として活躍するお二人、そして所長も交えての取材となりました。各々、仕事に対する気持ちがとても真摯で、長年続けていても、決して奢らずに、ひたむきな気持ちを持続できるのはすごいな、と感じました。また、病院との連携が問われるなかで、ますますの向上を目指して努力を重ねられている様子。今後の発展が期待されます。とても緊張している、とおっしゃっていたお二人。穏やかでほわっとした空気感が漂い、癒されました。きっとご利用者さんも同じ気持ちを抱かれているのでは?とも。
今回、取材にご協力いただいた米田歩美さん、横山めぐみさんをはじめ、『医療法人 十字会 訪問介護ステーションのじま』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同