ヘルパーステーションの管理者・所長という立場として
働きやすい環境を整えていくのも私の役目です。
ミーティングルームは畳の部屋で。長い机が置かれた周囲には資料や介護道具が。
―勝田さんが所長を務める現在の渋川市社協ヘルパーステーションは、H23年9月に東西で統合されたと伺いました。県下でも最大の事業所となり、今までと変わったこと、苦労されている点などありますか?
東と西でそれぞれの地域性や風習があり、ご利用者さんとの関わり方にもズレがあります。それを今は1つの方向性に修正していっている状況です。
介護福祉養成講座のテキスト1~15までが揃って置かれている。
―人数が増えてまとめるのも大変ですね。勝田さんは今でも現場に行かれることも?
昨年まではケアも入っていましたが、今は事務所での作業がメインです。渋川地区で5地区あり、1つの班に主任とサ責、その下に登録ヘルパーさんが15~16人と大所帯の事業所、それをまとめていくのが私の今の仕事です。週1回のミーティングでは、ご利用者さんの状態を報告し合うだけでなく、事業所として向かうべき方向性についても確認し合います。みんなで気持ちを同じくしてのケアでご利用者さんと向き合っていければいいな、と。
おむつストックの目隠しをしているブランケットはご利用者さんが編んだもの。
介護用品のストックの収納棚。外からもどこに何が入っているか分かる。
―他に勝田さんが気にかけていることはありますか?
ヘルパーさん達が働きやすいと思える環境を整えていくのも私の役目です。精神面だけでなく、金銭面も。そこは両方ないとダメだと思うので、うまく自分が立ち回れたらな、と。また、あまり自分から話さないタイプの人に積極的に声をかけて、意見をすくっていけるようにしたいです。目立つ人だけの意見が尊重されるのではなく、全体が同じレベルで気持ちよく仕事をしていくためにも、細部にまで目を配ってういくことが今後の私の課題だなと感じています。また、こうして毎日精一杯勤務できるのも仲間の支えがあってこそ。うちのヘルパーステーションは「煮込みおでん」みたいなイメージなんですよ。具材である人材が、1つ1つ(一人ひとり)の素材としてしっかり自己主張していて、煮込むように付き合いを重ねていくと、全体で深い味わいになる、そして食べると幸せになる、ご利用者さんにその「幸せ」を感じてもらえる介護を全員で提供していけたらと思います。
編集後記
勝田さんのおばあちゃんが亡くなる前につぶやいた言葉、それがずっと心に留まり、同時に今まで介護業界で働く原動力にもなっていたようです。「人が感じる寂しさを少しでも埋めることができたら…」これは介護の真髄かもしれませんね。物腰柔らかく、温かい雰囲気と上品さを兼ね備えた勝田さん。一方で、関口先生とこけしの前では、少女のように目をトキめかせながら、好きな思いを色々と語ってくださり、そのギャップがまた勝田さんの魅力なのだろうなぁと感じた今回の取材です。
今回、取材にご協力いただいた勝田小夜子さんをはじめ、『渋川市社会福祉協議会 渋川市社協ヘルパーステーション』職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同