ホームヘルプサービスこはぎでの今と未来
「この人に会えてよかったな」と思える記憶に残る一職員でいたいです。
会いたかったのよ!とご利用者さん。すかさず駆け寄っていき、楽しく会話をする伊東さん。
―今年の4月から、「ホームヘルプサービスこはぎ」に?
はい人事異動で。特老(特養)で11年もやってきたのに、私は今まで何をやってきたんだ!と思うぐらい違う仕事内容に、正直戸惑うことも多いです。
カロリーや塩分計算された毎月の献立表。細かい食事メニューも表記。
―どんなところが大変ですか?
ご自宅って、その方の生き方すべてが詰まった歴史でもあるじゃないですか。そこに他人である私が入ることに最初は抵抗がありました。正直どうしたらいいか分からなくて(苦笑)。それに在宅だとご本人とご家族の意向が食い違うケースも多くて、どちらを主張したらいいのかなと迷うこともありますね。
休憩スペースに置かれた将棋。年季が入っています。
―そういう場面に直面したら、どう解決されていますか?
基本はご利用者さんが主体なので、それを第一に、あとは色々な事業所のケアマネさんからアドバイスをいただきつつ…といった感じで進めています。今そうしたこともふまえ、学んでいる段階なので、むしろこれからが勝負だなと。
昼食の時間。食事の御膳を受け取る列が!
―ケアマネさんとの連絡も頻繁とのことで、連携もスムーズに?
はい。遠慮せずに思ったことはどんどん言うようにしています。ケアマネさんだけでは把握しきれないことってどうしてもあるので…。ご利用者さんがこういうことを言ってたよ、とか、こういうことが出来るよ、って伝えて出来るだけプランに活かしてもらうようにも努力しますね。逆に、ケアマネさんから「これはこういう事情で無理なのよ」と言ってもらえることも。お互い思ったことを言い合える関係性でいることが、ご利用者さんにとってもいいケアにつながるんじゃないかな、と思います。
―訪問に移られて4ヶ月の伊東さんですが、これからヘルパーとして、サ責としてどうしていきたいですか?
ご利用者さんの聞き役であり、よき理解者でありたいです。どんな悩みでも打ち明けられる存在に。あとは、その人がその人らしく最後まで生活できるようにヘルパーとして出来ることをしていく。そんななかで最終的には「この人に会えて良かったな」とお互いが思えたらいいですよね。記憶に残る一職員でありたいなと思います。また、チームで働く仕事なので、いつまでも一緒に頑張ろうねって、思ってもらえるような指導者になれるよう頑張っていきたいです。
編集後記
29歳と介護業界では若手の年齢でありながら、すでに介護歴11年の伊東さん。訪問ヘルパーの仕事には就いたばかりで戸惑いも多いけれど、とにかく仕事が楽しいとのこと。「趣味も仕事」と言いたいぐらいで、休みの日も、「次の日あの方になんて言おうかな」とか考えているんです、と話してくれました。まさに天職ですよね!さらに「『ありがとう』と言ってもらえたり、自分から言ったり、ちょっかい出してみたり、そんな関係がずっとずっと続いているだけで満足」とも。ご利用者さんと一緒にいる時間が幸せと感じられることって、とてもステキだなと思いました。
今回、取材にご協力いただいた伊東瞳美さんをはじめ、『社会福祉法人室蓬会 ホームヘルプサービスこはぎ』職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同