病院、施設…様々な職場を経て在宅へ
内側に目を向けると、こんなにも世界が広がっていたんだ!と驚きました。
報告はもちろん、気になることはすぐに室長に確認。
―その後病院に転職、今までの仕事とは違う環境で働かれて何か気付いたことなどありましたか?
介護の仕事は、周囲の支えあってこそ成り立つものだということをすごく実感できる現場でした。療養型の病院だったのですが、医者、看護師、栄養士、そして看護助手の私がいて、連携しながら患者さんを看るんです。例えば、患者さんの失った機能を元に戻すためには?ということに対して、本人からやる気を引き出したり、家族へのケア指導など、病棟全体で取り組んでいたのでそれはすごく新鮮でした。
制服は特になく私服でOK。元気に行ってきます!
―チームワークの良さは大事ですよね。その後、他にも様々な場所で働かれていたと伺ったのですが?
はい、わりと色々なところを転々としました。訪問介護の会社のほか、ご自宅にケアコール機を設置する会社や施設でのアルバイト、美容整形外科で働いていた時期もあります(笑)。
お出かけグッズに欠かせないサングラスと首冷やしシート。
―美容整形!それはまたなんで!?
病院は具合の悪い人を元気にする所ですが、逆に元気な人が変わっていく様ってどんな感じなのかな?と。気になると自分で分かるまでやってみないと気がすまない質なんですよ。
ご利用者さん宅までは自転車移動がメイン。団地に住まれている方が多いそう。
―石橋さん、アクティブですね。今までに様々な現場で経験を重ねられて、なぜ今在宅に?
1つは、入院患者さんが退院後、ご自宅で元気に暮らしていれば問題ないのですが、具合が悪くなって戻って来られるケースも結構多かったんです。それがすごく悲しくて、病院で頑張っていたことを継続して家でやるにはどうすればいいんだろう?と純粋に興味が湧いたこと。あと1つは、母親が人工透析が必要な体になった際、徹底的に食事療法について勉強したことがあります。透析っていわば延命措置でしかなくて、一番は口から食べるものが体をつくる栄養素になり、生きる力になる。食事は命を吹き込む大切なもの、と改めて気付かされ、それからですよね、在宅介護へ気持ちがシフトしていったのは。
雨、雪、暴風雨カード。その天気の時に出勤&ケアに入ると手当がつく。
―それは石橋さんにとって、大きな発見でもあったのですね。視野が広がった感じですか?
はい本当に。今まで外にばかり目を向けていたけれど、内側に目を向けたらこんなにも色々な世界が広がっていた!という感覚でした。同時に、母親の介護を通して、家族の協力なしでは成り立たないことを肌で実感。一人じゃやっぱり無理なんですよ。周囲を巻き込まないと共倒れしてしまう。こうした自分の経験値を、在宅ケアの現場で他の方に活かせたらと思えたことが、在宅で働きたいと思う決定打でもありました。