部署異動の33年間
全ての異動に意味があるのだと思います。
障害者の方を支援するワークセンター。パンやクッキーを作ったりも。
―先程話題にでた養護老人ホームもそうですが、この33年間で様々な部署を経験されたと伺いました。他にはどんな部署を?
障害者施設や老人施設での介護以外にも、事務や総務課のなかにある企画調整室という部署にいたこともありますね。
デイサービスのメニュー。お刺身が出るなんて、さすが魚介の美味しい福井ならでは。
―介護とは違うお仕事をされていた時期もあるのですね。異動になった直後はやはり戸惑いも?
もちろんですよ! それまでいた部署でやりたいことがまだまだある状態での異動になるので、正直毎回落ち込みます。異動になると敷地内が広いからご利用者さんと顔を合わせる機会もほとんどなくなってしまうんですね。だからお別れの時は、ご利用者さんも職員も泣きながら…。その度に、いただいた想いを無駄にしちゃいけない、って思います。
広い中庭の一角に小さな農園。この時期は秋ナスが実ってます。
―事務や企画ではどんなことをされていたのですか?
事務はお客様・電話対応、予算関係などいわゆる本当に事務のお仕事です。私は、お金の管理が本当に苦手で、だいぶ長い間先輩に付き添ってもらいましたね(苦笑)。「まだ覚えられないのかぁ」なんて言われつつ、必死で業務をしたことも今では良い思い出です。企画では、歩行訓練士の方と一緒に、様々な学校や地域で視覚障害のガイドヘルプアシスタントをさせていただいたり、点字を教える講座を開催したり…と対外的な地域交流がメインのお仕事でした。
前田さんのご主人が趣味で育てているというバラ。施設を彩る一部に。
―そのような部署で働いたお仕事も介護職で生かされていたりしますか?
今になってすべては繋がっているだなって思うんですよ。訪問にうかがってみたら、ご利用者さんのご家族が企画の時に交流のあった方だったりして「あら! ●●さんのお母様だったのね」と、ご家族通じてお知り合いになれたりするのは以前の仕事があったからこそ。全ての異動に意味があるのだとすれば事務も同じです。
課長が以前「総務課の職員は事務員になっちゃいけない。事務だけでなく、現場にたてる総務課の職員でいなさい」とよくおっしゃっていたこの言葉がまさしく的を得ていますね。様々な部署全員で光道園の職員なんだと思います。