(2) 頑張らないように頑張る。

▲「電動自転車は欠かせません!」と竹沢さん。
自転車で移動できる範囲のお宅を訪問しているとのこと。
―それだけ仕事を抱えていると、予定通りに帰れないこともあるのでは?
竹沢さん:そうですね。書類作りなど翌日に回すと混乱しそうなものは、その日に終わらせようとするし、実績関係のチェックが必要な月末も遅くなりますからね。でも残業するのが無理なほど疲れているときは、定時で帰ることにしています。
―残業しても仕事が終わらないことはありますか?
竹沢さん:はい。以前は膨大な仕事量に疲れてしまったこともあります。
管理者になりたての頃かな。私がしっかりしなくちゃ!とヘンに神経質になっていたことがありました。当時は肩の力が入り過ぎていたのでしょうね。一人で思い悩むしかありませんでした。他の職員に自己管理をお願いしておきながら、自分は全然出来ていなかったと反省。パンクしない働き方を覚えましたね。
それに、次から次に回ってくる仕事を請けるか断るかと判断することも、大切だと痛感しているところです。安請け合いして、中途半端にしてしまうのは良くないですからね。やるからには、きちんと仕事したいですし。
―たしかに大切なことですよね。
竹沢さん:家に帰ったら、母であり妻であり嫁ですから。そっちを疎かにしたくない、という気持ちもありますね。それで、ある程度は線を引こうと。家族に迷惑はかけられないので。
―仕事とプライベートの両方でいくつもの顔を持ち、やり繰りするコツとは何でしょう?
竹沢さん:私の場合、無理をしないということでしょうか。
どうしたら上手くできるか考えたところ、できる範囲で無理をしない程度に仕事するという結論に達しました。今では、頑張り過ぎないスタイルが大事に思えるようになりましたね。
▲事業所には、花や家などを描いた絵が飾られていた。
―辞めたいと思ったことは?
竹沢さん:悩みがいっぱいに膨らんでいたときは、さすがにリタイアしようかなと思いましたよ。それを周りに伝えたら、逃げるのは簡単だと言われて。その時、すごく悔しいと思いました。逃げたくはなかったし、納得できるところまで頑張らないと自分のためにも良くないですから。事業所の立上げから関わっているので、途中で脱落したと思われるのも不甲斐ないですし。
―奮起できたのは竹沢さんだからこそ、なのかもしれませんね。
竹沢さん:きっと私は負けず嫌いなのでしょうね(笑)。でも、それがあまり前に出ちゃうと周りに迷惑をかけてしまうから、“何気に負けず嫌い”くらいで留めるようにしているんです。気づかずに突っ走っていることがあるので。バランスをとることは、最近になって学びました。