■周りに支えられて今がある。将来的には恩返しをしたいです。
―廣田さんはヘルパーになられて4年なんですよね。
廣田さん:はい。もともと高校時代から「社会のお役に立てる仕事がしたい」と思っていました。その念願が叶い、実際の仕事で関われるようになったのが4年前ということになります。
―介護に初めて携わったときは?
廣田さん:わりと、すんなり関わりを持てた気がします。もともと小学生の頃に難病の同級生と一緒に遊んだり帰ったりという触れ合いがあったからなのか、自然に介護も受け入れていましたね。
▲事業所内ではケアマネージャーさんと2人で事務作業にあたっていることが多い廣田さん。
―廣田さんは、様々な介護の現場をご経験されていますね。
廣田さん:ええ。最初に在宅ヘルパーを経験、その後、病院の看護助手、グループホーム、デイサービスと関わってきましたが、いちばん自分に合っているのは訪問介護だと実感しています。訪問介護の利用者さんと1対1で直接向き合える距離感に魅力を感じています。こちらでサービス提供責任者をさせていただいて10ヶ月ではありますが、私がこうして責務を全うできているのは周りの方のサポートがあるからなんですよね。
―どういった方からのサポートがあると感じていますか?
廣田さん:直接感じているのは、いつも同じフロアでお仕事をさせていただいているケアマネージャーさん(以下、ケアマネさん)ですね。ケアマネさんもヘルパー出身のベテランの方なので、何かあると、いつも先回りしてご指導いただいています。私には小学生の子どもが2人いるのですが、仕事が終わらないときにも子どもを気遣って定時退社を優先させてくださるので、終わらない仕事は休日出勤を利用するようにしています。 そして子どもも学校が終わったあとには、地元の児童館のほうで仕事が終わるまで預かっていただいています。そこでは宿題や勉強を教えていただけるなど、普段なかなか手が回らないところまで見てくださるんです。 こうして生活できている自分を振り返ると、様々な方や地域に支えられていることをつくづく実感しますね。ですから将来的には、町に恩を返せるようになれたら……という思いでいます。そのための理想を語りだしたら、きりがないんですけど……。
▲廣田さんが訪問する際に持ち歩いている必須アイテム。自分で爪を切れない利用者さんもいるため、爪切りも常備しているのだとか。
―理想とは?
廣田さん:介護を志す者として、まずはケアマネージャーや社会福祉士など、ひと通りの資格を取得したいということです。利用者さんには、訪問介護を受けてよかったと思ってもらえるような介護サービスをご提供していけたらと思っています。
そして社会福祉協議会の一員として地域に根づいて、介護の仕事を続けられるかぎり全うしていきたいですね。
■編集後記
▲「上里町社会福祉協議会ヘルパーステーション」のスタッフの皆さん。
気持ちを晴れやかにしてくれるような、ハイトーンの華やかな声で出迎えてくれた廣田(ひろた)麻里子さん。
小学生になった2人の息子さんがいらっしゃるとのことで、地域では育成会の会長と務められているそうです。廣田さんが特技とする空手は息子さんたちも習っており、最近では所属するスポーツ少年団の一員として息子さんたちも特養老人ホームに「型」を披露してきたということ。こうした経験から、お子さんたちにも廣田さんのお仕事に理解を示してもらえているようで、「将来はボランティアのお手伝いをしたい!」と語っているのだとか。
毎朝4時50分には目覚ましで起きるという頑張りやさんの廣田さんは、お子さんの応援もある中でキラキラと輝いているヘルパーさんでした。
今回の取材にご協力いただいた、「上里町社会福祉協議会ヘルパーステーション」のスタッフの皆さま及び利用者さまには、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
「へるぱ!」運営委員会一同