法改正に伴い、がん末期患者さんも介護保険法の在宅ケアの範囲に含まれることになりました。そういった背景から、今後は次のような事態が予想されます。
- 在宅ターミナルケアがますます増える
- 病院の入院期間短縮によって、医療的ニーズを持ったまま在宅ケアに移行するご利用者が増える
- 療養型病床は削減の方向となり、入院しないである程度在宅ケアで対処すること
これらの要因があいまって在宅ケア現場では医療的ニーズに対処する必要性が高まることが予想されます。
高齢期には否応なく病気傾向が大きくなります。病気という状態は、生命の危機要素をはらんでいますが、同時に生活のありように大きな影響を与えるという側面を持っています。「生命を守る」ことと同様に「生活を守る」という側面に視点をおいて、その方を支えることはさらに重要です。介護には「生活と生命」の両面を守っていく大きな役割があり、そこに介護職の特徴と誇りがあります。
これからは、在宅で医療的処置やケアが行なわれる場面が増大していきます。介護職者がその場面に接した時に見たこともない様子が展開されていると、何となく近寄りがたいものを感じることと思います。ご利用者に何が実施されているのか、その内容を理解することは、よりよい介護を実施する上で重要な意義があり、心情的にも相手に寄り添うことになるでしょう。 看護職者との連携にあったては、適切な情報を発信する必要が出てきます。これからの高齢社会を担う介護専門職にとって、医療面への視野を持ちながら的確な介護を実施していくには、そのための学習を深める必要がありそうです。