【改正1年目の訪問介護サービス市場の動向】
予防給付サービスの導入などにより改正後1年間の訪問サービス市場は、以下見るように07年3月時で前年同月比件数は▲3%、費用は▲5%の減少となり事業者にとっては逆風の年となりました。
(07.3月時、訪問介護サービス市場規模/全国ベース)
単位:( )内前年同月比%

出所; 厚労省『介護給付費実態調査月報(翌月審査分)』より編集
その内訳を見ると、従来の訪問介護サービスは新要支援への認定更新にあわせ件数で▲31%の大幅な減少を見たが、費用は利用者単価のアップにより▲16%減にとどまっています。その要因は利用者の中重度要介護者へのシフト⇒利用回(日)数増によるもので、特定事業所加算の寄与はこれからと見られます(厚労省調べによる06年11月時、特定事業所加算請求の割合は7.6%、約71.3千件となっている)。
一方、介護予防給付の通所サービスへのシフトから利用制限が予想された予防訪問介護の利用者は327千件にのぼり、従来の訪問介護の減少を下支し全体では件数は▲3%、費用は▲5%の減少にとどまっています。この要因として、多くの自治体(保険者)が第3期介護保険事業計画の初年度に当たる06年度は新要支援2への移行、予防通所サービスへのシフトを低めに見積もっており、これを反映した結果と思われます。
【改正2年目を迎えた訪問介護サービス市場の見通し】
07年4月以降の訪問介護サービス市場の推移は以下見るとおりとなっています。
(07年4月以降の訪問介護サービス市場推移/全国ベース)
単位:千件、百万円 ( )内前月比 %

出所; 厚労省『介護給付費実態調査月報(翌月審査分)』より編集
4月を底にわずかではあるが回復傾向がうかがえます。これからも予想される予防通所サービスへのシフト、また事業者の減少が続くなど訪問介護事業者にとっては依然として厳しい状況にあるものの、新要支援・予防給付の導入に伴う訪問介護サービス事業への悪影響は昨年(06年)度で底を打ったとも考えられます。