岡谷会 ホームヘルプステーションでの日々
色々な方に出会い、多くのことを教わることが何よりの刺激です。
介護タクシーの出動も多く、ヘルパーステーションとの連携も。
―在宅の仕事をしてみて、施設と違うなと感じた点などありますか?
施設は設備が整っているけれど、在宅にはないものも多く、全ての備品が揃うわけではないことに改めて気付かされました。例えば、施設では清拭に使うタオルが事前に温められていたりするわけですが、もちろん在宅ではありえない。その場にあるものを利用して工夫しながらケアするというのは、慣れるまでは結構苦労しました。あと「そこまでやる!?」というほど、ご利用者さんに対してのフォローが手厚いことに驚くことも多いです。
デイサービスの入り口付近には、色とりどりの花や小さな畑スペースが。
―例えばどんなことでしょう?
先程話題に出た足りないものは、タオルから、フライパン、鍋、冷蔵庫、洗濯機に至るまで提供することが多いです。誰かから譲り受けるとすぐ「●●さんのところが調度足りなかったね。持って行って」といった会話が頻繁に出るなど、ご利用者さんの生活がより良くなるための手助けは惜しみません。また、基本はケアマネの仕事と思っていたアセスメントに対する組み立ても、想像以上にサ責である私たちが突っ込んで取り組むので、その姿勢にすごく共感をもって働いています。
立ち寄ったヘルパーさんとご利用者さんの件で話し合うスタッフたち。立ち話にも熱が入る。
―長谷川さんが『岡谷会ヘルパーステーション』で働かれて3年目。サ責の仕事にも慣れてきたと思うのですが、ヘルパーをまとめるうえで心がけていることなどありますか?
ヘルパーさんの話しをよく聞くようにしています。報告連絡以外にも、ただ聞いてほしいという方も結構いらっしゃるので、耳を傾けたり、自分から「最近どうですか?」と声をかけたり。そうやって話を聞くなかで、自分たちが知らなかった支援の実態に気付かされることもあります。それはちょっと良くない状況だなと思えば、改善につなげることもできますしね。
大量の資料や報告書、記録などに囲まれる仕事場は常に整理しながら。
―話しを聞くことで、スタッフの状況だけでなくご利用者さんの変化にも気づけたり?
もちろんです!岡谷会ヘルパーステーションは、介護タクシーの利用も入れると約300人ぐらいのご利用者さんを50人ほどのヘルパーが担当制で見ているのですが、忙しいとヘルパーさんに任せっきりになってしまうことも多くて…。記録ぐらいでしか見ないご利用者さんもいらっしゃるので、ヘルパーさんから色々話しを聞くと同時に、その方の情報は自分でも得るようにしていますね。
―最後に、長谷川さんにとって介護の魅力とは何でしょう?今後何かトライしてみたいこととかありますか?
最近「介護の“介”は、媒介の介で、人と人とを結びつけるのが介護なんだ」ということを話されている方がいて、まさにそうだなと。それこそ介護の魅力かもしれません。本当に色々な方に出会い、多くのことを教わることが何よりの刺激です。今後は、この業界に限らず多方面の知識を貪欲に学んでいきたいなと思っています。
編集後記
「男性の外部採用は今までに例がなく、部署としてもかなりの冒険でした。でも何より、面接で会った時の人柄と雰囲気が抜群に良かった!」と、上司である重永さんにも長谷川さんについて色々と語っていただきました。その印象どおり、物腰柔らかく、どんな話しでも真摯に受け止め対応してくれそうな雰囲気を醸しだしている方で、ご利用者さんやヘルパーさんから愛されキャラ、というのも納得です。32歳の若さでサ責であり、様々な経験とともに、介護に対する熱き想いを持って働く長谷川さんのような人材は、今後の介護業界においてとっても貴重な存在!介護のお仕事に興味がある若い人たちの指標となるべく、今後の活躍に期待しています。
今回、取材にご協力いただいた長谷川昌平さんをはじめ、『岡谷会 ホームヘルプステーション』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同