グローブについて
知識や技術だけでなく人間性の部分でも向上していけたらと思います。
ヘルパーステーションとデイサービスのヘルパーさん同士、連携もばっちりです。
―蒔苗さんが将来の介護に危機感を覚えた接遇面などもそうですが、ヘルパーさんへの指導とは具体的にどのようなことをされていますか?
まずご利用者さんのところへ入る初日に同行します。ご自宅に行くまでの車中、出来る限りの情報をヘルパーに伝えて、ケアに入ったら少し本人にもやってもらいます。与えられた情報のなかでどこまでそのヘルパーができるのかを見極めながら、足りない部分を後で補うよう指導する感じですかね。あとは“抜き打ちチェック”を定期的にしています。本人には予告せずケア途中に私が訪問。「ヘルパーが指示書どおりに出来ているか」「接遇とコミュニケーションは図れているか」などを確認します。受けていた報告内容と違う点、やり方が間違っている、できていない部分も把握できるので、その後の指導に役立っています。
テキパキと対応する一方で、ひょうきんな一面もみせてくれたセンター長。
―いつ自分がチェックされるか分からない…とヘルパーさんは毎回ドキドキなんじゃないですか?
そうですね。だからみんな緊張感を持って現場に臨んでいると思いますよ。その一方で、安心感を与えてあげることも私の仕事だと思っています。グローブではヘルパー全員に携帯を渡してあって「何か困ったことがあったら小さなことでも連絡ください。」と言ってあります。だからしょっちゅう、ヘルパーから「これはどうしましょう?」と連絡が入ります。密に連絡をとりあって、何かあったときには会社が素早く対応してくれるという安心感は大事ですよね。
ご利用者さんの実施記録と名簿を照らし合わせて確認作業中。
ヘルパーさんやご家族がご利用者さんで気になることを申し送りしたメモたち。
―ヘルパーさんが安心して働けることで、いいケアが提供できて、ひいてはご利用者さんとの信頼関係にも影響してきますものね。
本当にそうです! 担当するヘルパーが代わると「あの方辞めちゃったの?」と不信感を抱くご利用者さんも多くて。実際は担当区域が変わっただけだったりするんですけれど、人がコロコロ変わるのは会社としても避けなければいけません。そういう意味でもヘルパーが消耗しないよう長く続けてもらうための努力は今後もしていくつもりです。あとはやっぱりヘルパーの質の向上についてですね。知識や技術はもちろんですが、人間性や接遇の面でも向上していけたらいいな、と思います。
編集後記
探究心の強い蒔苗さんが歩んできた介護人生は、ここでは全部紹介しきれないほどの濃さで、大変興味深いものでした。そのときそのときを必死に、そして自分が納得するまで介護と向き合い過ごしてきた証が蒔苗さんの“今”なのだろうと思います。淡々と語られていましたが、実はすごい方なのだと思います(笑)!「今後どんな自分でいたいですか?」という質問に「お年寄りの方に元気を与えられたらいい」とおっしゃった蒔苗さん。自分がどうしたいかではなく、他人に分け与えることを何よりも先に言葉にしたのが印象的でした。
今回、取材にご協力いただいた蒔苗佳子さんはじめ、『ヘルパーステーション グローブ』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
「へるぱ!」運営委員会一同