これからの介護の理想がここにいっぱい詰まっています。
介護ヘルパーという仕事は私にとって「生きていく糧」ですね。
利用者さんは常にヘルパーさんの目の見える位置に。移動するときはいつも手をつないで。
―介護ヘルパー歴11年の髙橋さんですが、「ひつじ雲」で働く以前は?
髙橋さん:ホームヘルパーを6年、特別養護老人ホーム、グループホームなどを経験しました。様々な場所を見てきた今だから思うのは、ここほど幸せな空間はないんじゃないかということ。私もゆくゆくはここのお世話になりたいぐらい(笑)。
それぐらい介護をするうえで、本当に必要な要素が「ひつじ雲」には揃っている気がします。だからこそ、ここで働くことに誇りを持てるんですね。
―色々な施設を見てきたからこそ、ここは他と違う!という部分ってありますか?
髙橋さん:サービス内容ももちろんですが、小規模なのでスタッフと利用者さんの距離がすごく近いんですよ。ぐるっと見渡すと全員が視界に入るので、利用者さんのちょっとした変化にもすぐ気がついて対応ができます。困っている利用者さんがいたら「私がやるわ!」と誰が対応してくれたのかもすぐ分かりますし。
民間の訪問介護事業所だとこうはいきません。サービス提供者からケアマネージャーへの伝達、と何段階も人を通して回答までに時間がかかることも少なくありませんから。
―伝達スピードの速さは何をするうえでも大事ですよね。そうなると、職員同士の心地よい連帯感も生まれますね。
髙橋さん:はい。毎日「通い」サービス終了後、職員一同ミーティングをするんですよ。職員全員で各利用者さんの状況を把握できるので、悩みや苦労を理解し合い、共有できるのはとても精神的に支えになっています。自分ひとりで悩み続けるのではなく、他人に聞いてもらうことで気持ちも楽になるし、新たな視点から解決策を見出せることもある。これも「ひつじ雲」ならではですね。
―介護する者、介護される者、どちらもハッピーな環境が整っている、まさに介護の理想郷と感じました。最後に、髙橋さんにとって介護とはなんですか?
髙橋さん:あるとき息子に「介護の仕事が一番合っているんじゃない?」と言われました。「あぁ・・・、私この仕事が合っているんだ。やっぱり」って(笑)。私が働く姿を直接見ていなくても、息子には「私がこの仕事が好き」という気持ちが日々の態度から伝わっていたんですね。
最初は、生活費を稼ぐという意味での「生きる糧」でした。でも今では、自分の人生を生きていくうえでの「バイタリティ=生きる糧」です!
編集後記
「ひつじ雲」の職員のみなさん。
いつでもにこにこ。笑顔がステキです。
元気いっぱいで周りをパッと明るくしてしまう髙橋さんをはじめ「ひつじ雲」で働くみなさんは朗らかで気さくに話しをしてくれる温かい方たちばかりでした。
石畳みの庭を進み玄関の戸を開けると、室内からは大きな合唱が。職員の方と一緒に歌う利用者さんの顔は、穏やかでとても楽しそう。リラックスした空間で思い思いに過ごすその光景は、普段私たちが家で過ごす光景と何ら変わりのないように思えます。
そこが「ひつじ雲」のステキな部分であり、働いている方々の努力の賜物なのだなぁと。
今回、取材にご協力いただいた「特定非営利活動法人 楽 『ひつじ雲』」の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
「へるぱ!」運営委員会一同