■本気で楽しむから、時間がいくらあっても足りません。
―山本さんは、仕事の疲れをどのようにリフレッシュするんですか。
山本さん:私は仕事を「労働」とは思っていないので、リフレッシュという概念がないんです。もしかすると、週に4日の卓球の練習や犬の散歩、趣味の洋裁が知らないうちに疲れを癒しているのかもしれません。
▲この日のメニューは、すきやき風煮込みに決定。
―週に4日も卓球の練習をしているのですか!?
山本さん:はい。いつも仕事が終わったあと1~2時間ほど練習していて、専属のコーチに見ていただく日もあります。もともとは体力づくりのために始めたんですが、今では大会にも出場するほどハマッています。
―すごいバイタリティですね!
山本さん:私は、楽しみたいから練習しているだけなんですよ。練習をすればするほど上達するし、ランクも上がりますからね。資格を取得するための勉強だって、私には楽しいですから(笑)。
▲山本さんが趣味で作ったコースターや小物入れ。
―たしか、たくさんの資格を取得されていましたね。
山本さん:ヘルパーを経験して3年目で「介護福祉士」を取得、ついこの間、5年目で受けられる「ケアマネージャー」の試験を受けたところです。ほかにも、「住環境福祉コーディネーター」と「社会福祉主事」、「認知症ケア専門士」などの介護に関わる資格は、いくつか取っています。最終目標は、「社会福祉士」です。来年の春くらいから通信教育で2年間勉強して、試験を受ける予定なんですよ。60歳までには取得したいですね。
―仕事のほかにも卓球の練習などで忙しそうなのに、いつ試験勉強しているんですか?
山本さん:車で移動する最中とか台所やお風呂で、CDに収録されているテキスト音声を流しているんです。朝起きたら、まずはそのCDをつけますね。
あとは、自分の声で問題を録音したオリジナルテープを作って勉強しています。これは自分の声だから恥ずかしいんですけどね(笑)。でも、こうすれば忙しい日常のなかでも勉強できるでしょ。私は、できるだけずっと勉強していたいんですよ。
―山本さんの勉強は、日常の一部になっているんですね。
山本さん:だからこそ、楽しめているのかもしれません。したいことがたくさんあるから、毎日があっという間に過ぎてしまって、いくら時間があっても足りません。だから私は、限られた時間の中にあえて「楽しみ」を作るようにしているんですよ。
よく“石の上にも3年”と言いますが、次々とやってみたいことが出てくるので、ヘルパーを始めてからの5年は、あまりに早かったですよ。
―最後に、山本さんが抱く「理想の介護」を教えていただけますか?
山本さん:高齢者専門のアパートを建てられたら嬉しいですね。各部屋には、好きなように料理ができることを考えてガスキッチンを装備するほか、みんなで楽しく食事できる部屋も作りたい。病院と連携して、高齢者の方にとって居心地の良い環境を提供できればと思います。
それから、自宅の空きスペースで宅老所をするのもいいなと思いますね。私の家の近所は図書館や公園も揃っている環境なので、一緒に出かけて本を読んだり散歩をしたりという憩いの場にできたらいいですね。
―やりたいことがたくさんあるんですね。
山本さん:はい。夢は尽きません。夢に近づくためにも、日々勉強です。
■編集後記
▲「オアシス川西 ヘルパーステーション」のスタッフのみなさん。
今回取材させて頂いた山本さんは、どこからエネルギーがみなぎってくるのかと驚かされるほどパワフルな女性でした。
実はお嬢さんも同じ介護職に就いているそうです。
「娘たちにも、お母さんはすごいなあと思ってもらうために、私はがんばって資格を取らないといけないんですよ」
と話す笑顔が印象的でした。
今回ご協力いただいた山本さんをはじめとする「オアシス川西 ヘルパーステーション」のスタッフのみなさまには、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
「へるぱ!」運営委員会一同