自立支援の難しさ。
良くなったご利用者さんに対して、どの程度援助の手を引けばいいのか判断しずらい。
真剣に何かをチェック中!他にも同様の光景がところどころで見られました。
―先程、職員を育てることの難しさについて伺いましたが、訪問など現場で働くなかで感じる介護の難しさは何でしょうか?
それはもう、状態が良くなっていくご利用者さんからどの程度援助の手を引くべきか、さじ加減がつかみずらいことでしょう。これは本当に難しい。介護は基本的には悪くなる人を想定したケア。逆に状態が良くなったご利用者さんに対して、「これは自分で出来るようになったから自分でやりましょうね」と手助けをやめる判断をするのは簡単なことではないんです。
色分けされてとっても見やすい勤怠リスト。ヘルパーさんそれぞれの動きが一一目瞭然!
―なるほど。判断が難しい、というのはやはり手助けをやめた途端に、また出来なくなってしまう状態に逆戻りする不安があるからですか?
それもありますし、逆のパターンも。もっと自分で出来るようになりたい!と思っているご利用者さんにヘルパーが手を貸しすぎて、出来ないままになってしまうことだってあります。あとはヘルパー側で判断する際の情報不足が挙げられますね。
診療所併設で、万が一の緊急事態にも素早い処置ができるのが健和会の強み!
―良くなってきているご利用者さんの状態を把握しきれていない・・・とか?
悪くなったり、出来ないことは目で見て分かりやすいですよね!? だからこの部分で援助を追加しましょう、と話が進みやすい。一方、良くなったり、出来るようになった時にどの段階で援助をやめるか判断するのは、とても微妙で目に見えずらいことなんです。だからこそ、多くの情報が必要で、また、ご利用者さんにきちんと説明して手を引くことの意味を理解をしてもらう技術がヘルパーには要求される。でもなかなかそこまで出来るヘルパーが育っていないのが現状ですね。説明して必ずしもご利用者さんが「はい」と言ってくれるとも限らず、クレームになるケースもあります。
すれ違いざまにも気さくに声をかける代田さん。ちょっとした確認事項はかかさない。
―ご利用者さんの性格やタイプによってもアプローチの仕方が変わるでしょうし、自分で出来ても人に任せた方が楽だと思っていたら、そう簡単に「うん」って言わないですよね(苦笑)。
自立支援の難しさはそこにあると思います。介護福祉士法が「状況に応じた介護」に変わったのもこうした所以からでしょう。言葉でいうと簡単ですが、状況にあわせるのだって難しい。身体だけでなく生活全部をひっくるめてみるのが在宅なので、ご利用者さんに家族がいたら、そうした判断は周囲の人全員にも関わってきます。一生懸命ケアしてご利用者さんに「ありがとう」と言われることももちろん大事ですが、納得できないご利用者さんに何度も何度も説明してご理解いただくことも、ヘルパーの重要な仕事なんです。
―だからこそ、納得していただけるだけの情報収集が必要と!
はい。そのためにはヘルパー1人1人の視点こそ大事に! 「私なんて・・・」と言う人がいますが、その「なんて・・・」という情報をとってきてほしい。それぞれの視点から得た情報が集まっていいケアが出来たときに、右肩下がりに落ちていくご利用者さんの状態が一瞬でも良くなることもあるわけです。やれば出来るんだ、っていう経験を糧に、この仕事を楽しいって思ってもらえるよう私が出来る限りサポートしつつ、自分で考えて動ける人材を育てていきたいですね。
編集後記
―ご利用者さんの性格やタイプによってもアプローチの仕方が変わるでしょうし、自分で出来ても人に任せた方が楽だと思っていたら、そう簡単に「うん」って言わないですよね(苦笑)。
自立支援の難しさはそこにあると思います。介護福祉士法が「状況に応じた介護」に変わったのもこうした所以からでしょう。言葉でいうと簡単ですが、状況にあわせるのだって難しい。身体だけでなく生活全部をひっくるめてみるのが在宅なので、ご利用者さんに家族がいたら、そうした判断は周囲の人全員にも関わってきます。一生懸命ケアしてご利用者さんに「ありがとう」と言われることももちろん大事ですが、納得できないご利用者さんに何度も何度も説明してご理解いただくことも、ヘルパーの重要な仕事なんです。
―だからこそ、納得していただけるだけの情報収集が必要と!
はい。そのためにはヘルパー1人1人の視点こそ大事に! 「私なんて・・・」と言う人がいますが、その「なんて・・・」という情報をとってきてほしい。それぞれの視点から得た情報が集まっていいケアが出来たときに、右肩下がりに落ちていくご利用者さんの状態が一瞬でも良くなることもあるわけです。やれば出来るんだ、っていう経験を糧に、この仕事を楽しいって思ってもらえるよう私が出来る限りサポートしつつ、自分で考えて動ける人材を育てていきたいですね。