高齢者の方が腰痛や肩こりなどの症状を改善するため、湿布を購入しに薬局へいらっしゃることがよくあります。湿布には、冷たい湿布(冷湿布)と温かい湿布(温湿布)の2種類あるのですが、どちらを貼ったら良いのか? その使い分けに迷ってしまったことってありませんか?今回はそれぞれの湿布の特徴と、一般的な使い方についてお話しします。
冷湿布には、メントール・カンフル・ハッカ油など局所への刺激作用やスーッとした清涼感を持つ薬剤が含まれています。主な用途としては、急性の痛みで赤く腫れ、熱を持ち、炎症を起こしている場合に用いられ、特に、打撲や捻挫、ぎっくり腰などの初期段階で(最初の5~7日間)よく使われます。一方、温湿布には通常の冷湿布に唐辛子成分のカプサイシンなど、局所の血流を活発にしてポカポカと温かく感じる成分が配合されています。主に、肩こりや神経痛、腰痛などの局所が冷たくなって、筋肉がこわばり動かすと痛みがでるような、慢性的な症状に使用する場合が多いです。冷湿布にも、温湿布にも、消炎鎮痛剤は含まれており、薬としての効果は同じなのですがこうした違いがあります。
冷やす湿布と温める湿布・・・どちらが気持ち良いと感じるのか、使用者の好みで使い分けることも出来ます。また、はっきりとした基準はありませんが、湿布の使い分けとして「お風呂に入った時楽になると感じた場合は温湿布を、逆に痛みが増すような時には冷湿布を使うと良い」とも言われています。その他、基本的な使用例として、打撲やぎっくり腰など腫れ・炎症がある場合には先ず冷湿布を貼り、4~5日たって腫れがひいてきたら、血流循環を良くするため温湿布に変える・・・といった方法もあります。
最後に使用する際の注意点をご紹介します。温湿布には先にも話したとおり唐辛子成分が含まれているため、肌のかぶれを起こす頻度が冷湿布に比べて高いです。かぶれてしまった場合は、使用を控えましょう。こうした症状だけでなく、喘息をもつ人にいたっては、発作を誘発してしまう恐れも。そのため、使用する際は、医師や薬剤師の指示のもと十分注意して使用する必要があります。