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サービス提供責任者ってどんな仕事?

第1回 「サービス提供責任者」ってどんなヒト?

「サービス提供責任者」という言葉を知っていますか?
実はこれ、職業の名前なんです。簡単ではありませんが、やりがいがあり大事な役割を担う職業です。それではお仕事の内容について詳しくお伝えすることにしましょう。

法で定められているサービス提供責任者の責務は次の通りです。
(「指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準」第28条第3項)

【サービス提供責任者心得帖】
サービス提供責任者は、第二十四条に規定する業務(訪問介護計画作成)のほか、次の各号に掲げる業務を行うものとする。
一、指定訪問介護の利用の申込みに係る調整をすること。
二、利用者の状態の変化やサービスに関する意向を定期的に把握すること。
三、サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業所等と連携を図ること。
四、訪問介護員等(サービス提供責任者を除く。以下この条において同じ。)に対し、具体的な援助目標及び援助内容を指示するとともに、利用者の状況についての情報を伝達すること。
五、訪問介護員等の業務の実施状況を把握すること。
六、訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理を実施すること。
七、訪問介護員等に対する研修、技術指導等を実施すること。
八、その他サービス内容の管理について必要な業務を実施すること。

さて、いかがでしょうか。ちょっと堅苦しい感じがするかもしれませんね。では、もっと噛み砕いて分かりやすく、サービス提供責任者のお仕事をご説明しましょう。

■訪問介護の「段取り屋さん」

サービス提供責任者は、介護保険で行われている居宅サービス事業の中の「訪問介護」において、非常に重要な役割を果たします。サービス提供責任者のお仕事は、まず利用者宅に訪問して「生活全般の状況及び希望」を伺い、利用者さんやそのご家族とよく話し合うことから始まります。そして、援助内容の方向がみえてきたら、具体的なサービス内容の細部まで詰め、確認と合意をとります。このような段階を踏み、援助に入るための下準備を行います。

■訪問介護の「相談役」

ヘルパー職さんの勤務内容の管理を行ったり、利用者さんとの相性を見極めたりするのもサービス提供責任者のお仕事です。サービス提供責任者は、ヘルパー職さんの良き理解者であると共に、ヘルパー職さんの良きリーダーでもあります。ヘルパー職さんの素朴な疑問を一緒になって考えたり、急に体調が悪くなってお休みすることになったヘルパー職さんの代わりに、自ら現場へ出向いてサービスを行ったりすることもあります。

■訪問介護の「支配人」

サービスの提供が決まると、今度はケアマネージャーさんからのプランに従って、より具体的な訪問介護計画書を作成します。そしてサービスが始まると、次はその内容を評価し、必要に応じて再度計画を立て直します。この流れを繰り返し、訪問介護サービスをマネジメントしていきます。このようなことから、サービス提供責任者は訪問介護のサービス支配人とも言えます。「ホテルの支配人」をイメージしてみて下さい。ちょっと格好いいポストでしょう?それ程重要なポジションなのです。

サービス提供責任者がどういう職業なのか、何となくお分かりいただけましたか?次回は、なぜ職務内容が法令で定められているのか、詳しくお伝えいたします。

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コラムニスト紹介

田中 典子

NPO法人東京ケアネットワーク・けあねっと研修室長。
介護福祉士、介護支援専門員指導者、介護技術講習会主任指導者。

プロフィール

1970年から2000年まで約30年間、東京都葛飾区役所にてホームヘルパー職として勤務。

2000年 退職後『ohashi式』発案者の故大橋佳子氏と「NPO法人東京ケアネットワーク」設立に参加し、理事として介護相談および研修事業に携わる。

ヘルパー研修の他、訪問介護計画書の作成演習など多数の研修講師を担当し、ヘルパー業務支援の為の研修にも携わる。

田中典子先生は平成28年7月12日、享年77歳にてご逝去されました。
心より哀悼の意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。

著書・出版

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