へるぱ!

今回のヘルパーさん

第76回 澤江美知子さん

兵庫県姫路市、播但線仁豊野駅より車で10分『訪問ケアセンター泉の杜』でサ責として働く、澤江美知子さんにお話しを伺いました。

訪問の仕事に就いてみて

1対1で会話ができるので、その方のためにできることをじっくりと考えることができます。

―澤江さんが介護職に就いたきっかけは?

友人がヘルパーの資格を取るというので、色々話を聞いていたら、やりがいのありそうな仕事だな、自分もやってみたいと思えたのがきっかけです。お年寄りが好きなのと、子育てが落ち着き、何か仕事をしようと思っていた時期でもあったので。

―そこで澤江さんも資格を?

はい。わりとすぐに行動に移しました。ハローワークで紹介されたヘルパー講習に応募し、数か月間通って資格を取りました。

―資格取得後はすぐに働かれたのですか?

講習を受けて介護の大変さも理解できましたし、間が空いてしまうと活かせなくなるんじゃないかと思い、覚えているうちに…とすぐに求人募集を探して。経験者の方に「子供が幼い間は、施設やデイで働くのは難しい。訪問だと他のスタッフにカバーしてもらいやすいから働きやすいよ」というアドバイスをいただいていたので、最初から訪問を選んで、という流れですね。

―実際、働かれてみてどうでしたか?

登録ヘルパーとして訪問で雇われたのですが、事業所内にあったデイの手伝いもしていました。デイではご利用者さんとじっくりコミュニケーションをとるのが難しい一面もあるのですが、訪問は1対1でじっくりと会話することが出来るので、困ったことや体の具合を聞いて、その方のためにできることを考えることが可能です。そういう意味で、訪問の方がいいケアができるんじゃないか、という想いは当初から抱いていました。

―デイ以外にも他に色々とある事業所だったのですか?

居宅、訪看、先生も往診にくる事業所だったので、何かあった時の対応はさすがでした。熱中症で倒れたご利用者さんがいた時は、ケアマネがサ責に連絡して、訪看が飛んで来て状況確認。ご自宅でケアできないと判断すれば、診療所に運んで点滴…と連携は見事でしたね。そのような事業所だったので、私も安心して働くことができたんだと思います。

―そこではどれぐらい働かれていたのですか?

2人目の子どもを産んだ時に一度辞めたのですが、また戻って、と計9年ぐらいいました。今思うと色々わがまま言わせてもらったなあと(苦笑)。

―というと?

そこでは登録ヘルパーとして働いていたのですが、サ責の方にあれこれ自分都合で言っていました。ご利用者さんの変更や休みの希望など、皆がそれぞれ主張できる職場だったので、やりやすい反面、それを調整するサ責の方はさぞかし大変だろうと、当時もよく思ったものです。今自分がその立場になり、それを再認識しています。

「訪問ケアセンター泉の杜」について

柔軟な労働シフトの採用など、働くママにとって働きやすい環境があります。

―今の事業所『訪問ケアセンター泉の杜』にはどういった経緯で?

先の事業所を辞めたのは、正社員として雇用されたいという想いがあったからです。訪問を通して学んだことの1つに、国保と社会保険では老後の生活が明らかに違うということです。リアルな実情を垣間見て、色々考えさせられてしまい…。ご利用者さんにも「厚生年金をかけておいた方がいいぞ~」と言われたり(苦笑)。登録から正社員に移れればよかったのですが、人が足りているという理由からそれが叶わず、他に移る決意をしました。それで、サ高住に転職を。でも同じ訪問とはいえ、肌に合わないことが多々あり、辞めようかなと悩んでいた時期に、縁あってこちらをある方から紹介いただき、今の事業所で働くことになりました。

―働きはじめて1ヶ月とお聞きしたのですが?

そうなんです。サ責として雇用いただき、初めてこの職務に就いたのですが、分からないことだらけで右往左往の毎日です。これほど大変だったとは! という感じですね。『訪問ケアセンター泉の杜』は開業して1年ほどの事業所ではあるのですが、経験豊富な先輩方が多くいらっしゃるので、教わりつつ、学びつつ、必死に…といった状況です。

―どんな事業所か教えていただけますか?

本部は『社会福祉法人 再命会 特別養護老人ホーム 泉の杜』になります。その他、デイサービス、ショートステイがあり、特養が10年目を迎えた際に、より包括的なケアができるようにと新設されたのがこの訪問ケアセンターです。

ここ豊富地区は、孤独死が多く、今後ますます在宅ケアの重要性が高まっていくなかで、施設と訪問が連携し合いながら地域貢献できるようにという想いから創られたのだと聞きました。

―連携がとれるという点では、以前澤江さんが働かれていた事業所とも似ていますね。

そうですね。連携の大事さは私も実感していましたし、同一建物内のすぐ隣には訪問看護があり、色々と相談できるのも心強いです。また、この事業所の魅力のひとつに、柔軟な労働シフトを採用していることもあります。

―具体的には?

シフト作成時にあらかじめ各々の希望を伝えておけば、決められた月の勤務時間内であれば、皆で個々に調整することによって希望に応じた勤務をすることが出来るので、子供がまだ小さい私にとっては、とても有り難い環境です。当事業所の宮本所長は『家族や仲間といった身近な人を大事にできない人は、お客様であるご利用者さんを大事にすることはできない』と…。自分の生活やプライベートを充実させることが、結果、ご利用者さんへの良きケアにつながる、という考え方をされています。確かに、私達が疲れていたり、心に余裕がないと、ケアにも集中できませんし、こちら側の繕いはご利用者さんにも見透かされてしまいますから。

―働く側のことを色々と考えられた職場のようですね。

はい。何しろ1ヵ月なのでまだ見えないことも多いのですが、分からないことはすぐ聞ける、何かあれば話し合える、和気あいあいとした明るい職場です。研修にも積極的に行かせてもらえるようなので、これから色々勉強していきたいです。

―今後の澤江さんの目標は?

サ責という新たな立場になり、初めて知ることも多く、日々勉強です。自分が一人前に出来なければ、スタッフをまとめていくことなんてできないので、まずはこの職務をしっかり理解することが先決だと感じています。また、今までの介護経験より、ご利用者さんから教わってきたことは本当にたくさんあって、私の人生の糧でもあります。ご利用者さんとのやり取りがこの仕事のやりがいの1つでもあるので、今後もサ責業務と合わせて、訪問は続けていきたいです。また、ケアマネにも興味があるので、この先にいつか…という気持ちも。でもまずは目の前にあることを1つずつじっくりこなしていければと思います。

編集後記

介護歴が11年と経験豊富ながら、「サ責の仕事は分からないことだらけで、ほんとにどうしましょう!?」と戸惑いをストレートにお話しくださった澤江さん。介護業界に長い間身を置きながらも、立場が変われば、やることがこれほどに変わるのか、と改めてサ責という仕事の責任の重さ、仕事内容の幅広さを認識させられた取材でもありました。また、入社して約3ヶ月でもあるフレッシュな澤江さんに変わり、事業所について色々語っていただいた所長の宮本さん。「サ責の方が立場が上という風に捉えられがちですが、この事業所では、サ責、常勤ヘルパー、登録ヘルパー、などどんな立場であっても役割が違うだけで立場は一緒だと皆に話しています。先輩・後輩はあっても上下関係を意識せず、相互に言い合える環境を大切にしながら、個々の個性を活かしつつ、みんなで作り上げていく事業所でありたい」と話してくださいました。柔軟な労働シフトの採用など、働きやすい環境を模索しつつ、新しいことにトライしていく活気が感じられる事業所で、今後の展開がとても楽しみです。

今回、取材にご協力いただいた澤江美知子さんをはじめ、『訪問ケアセンター泉の杜』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。

「へるぱ!」運営委員会一同

事業所紹介

◆社会福祉法人 再命会 訪問ケアセンター泉の杜 訪問介護課

〒679-2122
兵庫県姫路市豊富町御影3352番地96

TEL.079-264-8177
FAX.079-264-8161
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事業所紹介

澤江 美知子さん

社会福祉法人再命会 訪問ケアセンター泉の杜 訪問介護課
サービス提供責任者

勤務年数:約1ヶ月/介護歴:11年

趣味

寺院巡り

月に一回、同じ趣味仲間と寺院に行くのが私のリフレッシュタイムです。御朱印帳も持っていますよ。四国八十八箇所は2週目が終わり、ついこの間3週目に入りました。今までで一番良かったのは、和歌山県の高野山です。

 

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