へるぱ!

今回のヘルパーさん

第63回 土岐 麻美 さん

木更津駅から車で10分ほどの場所にある『有限会社リ・ライフ 介護センターたんぽぽ』でサービス提供責任者として働く、土岐麻美さんにお話しを伺いました。

介護の仕事を続ける理由

「ありがとう」とご利用者さんに言われると、「やってて良かった」と思います。

―介護の仕事を始めたきっかけは、看護師をされていたお母様からの勧めと伺いましたが?

そうです。母親は自分と同じ看護師になって欲しかったみたいなのですが、私は血が苦手で…。だったら介護はどう?と母に勧められて、軽いノリでヘルパー2級の資格を取ったのがそもそものきっかけです。

―お母様はなぜ土岐さんに介護を勧めたのでしょう?

安定的な収入が得られるという点で、ではないですかね。この業界は手に職なので、将来的に見ても長く仕事を続けられますし。

―なるほど。資格を取られた後はすぐに介護のお仕事に?

はい。スクールに通っていた時、特に仕事につなげよう、という意識はありませんでした。でも、授業や実習は苦じゃなくて、むしろ楽しかった。だから仕事をしてみてもいいかな、と思えたんです。そこで訪問で募集をかけていた、ここ『介護センター たんぽぽ』に応募して、採用いただき、働きはじめた、という経緯です。

―最初に訪問を希望された理由は?

実は大勢のなかで行動を共にするのが得意ではなくて…(苦笑)。やるなら訪問だ、という思いは当初からありました。

―で、実際働かれてみてどうでした?

みんなが訪問を嫌がる理由が分かるな、って(苦笑)。始めた当初は、「臭い・汚い」という印象が拭えなかったですね。よく一般の方が介護職に抱かれるイメージと同じです。でも決して、それだけじゃない喜びややりがいがあるからこそ、こうしてこの仕事を続けられているわけですが、やはりキレイごとだけではない大変さがあるな、と。

―それはとても正直な感想ですね。他に大変だな、と感じられたことってなんでしょう?

重度のご利用者さんが多いのですが、体が動かない分、というわけではないかもしれませんが、口が達者な方が多くて。ケア中に色々言われることに対して、どう対応していくか、それにはすごく苦労しました。精神的にダメージを受けることもありましたが、今では利用者さんのお気持ちを受け止めることも少しずつでき、また自分の気持ちもコントロールできるようになってきました。

―そんな風に辛いことがあっても、この仕事を続けてきた理由ってなんでしょう?

一番はご利用者さんから言われる「ありがとう」という言葉。「やっててよかった~」って思える瞬間です。少しでもその方の力添えになれたのかな、って。それに辛いと思うことはあっても、辞めたいと思ったことは不思議とありません。割と飽きっぽい性格の自分が、辞めたいと思わないのは『天職だからかな』なんて、今では思うんですよ。

「介護センター たんぽぽ」とは

尊敬する先輩方に育まれながら、自分が成長できる場所です。

―土岐さんにとって、ここ「介護センター たんぽぽ」は、一度辞められてからまた戻ってきた職場だと伺いましたが?

はい。結婚・出産を機に辞めて、子育てが一段落した3年前にまたこちらで働かせていただいています。当時はパートでしたが、今は正社員として。ここの職場はみんな仲良くて、アットホーム。何か現場で嫌なことがあっても、社長含めスタッフの誰かが親身に聞いてくれる環境があります。そんな環境だからこそ、また働きたいと思いました。

―つい先日、サ責になられたとか?

はい。私なりにここの事業所を盛り立てていきたい気持ちもあるので、少しずつステップアップしていければ、と思いまして。ゆくゆくは、ケアマネの資格も取得して、この道のトップを目指せればな、と。

―土岐さんが描くトップとは、どんなイメージですか?

漠然とですが、介護のエキスパートを育てる指導者ですかね。最近、ヘルパー募集で面接をしていると、実に多いのが「私は掃除しかできません」「身体はできません」という方たち。なかには、実習で出来ても、現場でおむつ交換が出来なかったり、ケアが雑だったり。技術力はもちろん、現場でしっかり対応できるプロフェッショナルを育てることはすごく重要だと感じています。同時に指導者は私自身が興味のあることでもあります。それに、前回参加させていただいた、社福協主催「サービス提供責任者研修セミナー」にて、講演をされていた名古屋柳城短期大学・大崎先生の生き方もすごく衝撃的でしたね! 大学の講師でありながら、介護の仕事もバリバリこなされていて。カッコ良くて憧れます。あんな風になれたらいいな、と思います。

―その方にすごく感銘を受けたのですね。目指すべき存在がいるというのは、頑張る意欲にもつながりますものね。

はい。その先生だけでなく、ここの事業所の社長ご夫婦、長年働いていらっしゃる先輩方のこともすごく尊敬しています。子供の学校のお迎えが、私の訪問介護とかぶって行けなかった時、代わりに事業所のスタッフが迎えに行ってくださり、私が帰るまでの間、子どもの面倒を見てくれてたんです。それだけでもすごく有り難いことなのですが、事業所に戻ってきた私に「待ってました、お帰りなさい」と一言。社長の奥様がかけてくださったその言葉はとても印象的で、今でも忘れられない思い出です。

―もう事業所が土岐さんにとってのホームみたいな感じなのですね。

そうですね。私も子供にとっても「介護センター たんぽぽ」は、大切な存在です。これからは、この事業所がより地域に根付くよう、微力ながら私も努力していきたいですし、また、ご利用者さんとの触れ合いを通して社会貢献しつつ、自分の成長と仕事をする喜びを感じていければいいな、と思っています。

編集後記

多くを語りたがらず、クールなコメントも多い土岐さんでしたが、心に秘めたる介護への想いは相当なもの! と推測できる言葉が、会話の節々に感じられました。「介護は天職」、「介護のトップを目指したい」と言い切ることができるのは、介護の仕事に真正面から向き合っている証拠。「とにかくみんな仲が良くて、何でも話すから逆に隠し事をするのが難しい(笑)」とおっしゃった土岐さん。ステキなメンバーに囲まれた職場で、ぜひ介護のトップを目指してほしいなと思います。

今回、取材にご協力いただいた土岐麻美さんをはじめ、『有限会社リ・ライフ 介護センターたんぽぽ』の職員の皆さまには心からお礼を申し上げます。

「へるぱ!」運営委員会一同

事業所紹介

◆有限会社リ・ライフ 介護センターたんぽぽ

〒292-0054
千葉県木更津市長須賀333-8

TEL.0438-20-0023
FAX.0438-20-0023
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事業所紹介

土岐 麻美さん

有限会社リ・ライフ
介護センター たんぽぽ
サービス提供責任者
介護福祉士

勤務年数:3年半/介護歴:約3年半

趣味

ドライブ

ドライブでよく行くお気に入りの場所が、千葉県の南房総にある「潮風王国」です。海や海岸沿いを歩いているだけでも気持ちよくて、リフレッシュできます。子どもともよく一緒に行くのですが、本物の蟹や貝が景品になったUFOキャッチャーもあるんですよ!

座右の銘

出会った人に感謝

一癖、二癖ある人でも、人生のなかで出会ったことには必ず意味があるのかな、と思います。信号待ちで、ふと「こういう人がいたな~」と友人やご利用者さんとの過去の出来事を思い返すことも多いです。

 

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