訪問介護の役割を考えれば、求められる能力は「生活状況を大づかみで把握する力」「細かい分析力」「先を予測し働きかけのポイントをつかむ」「利用者の気持ちに合わせた働きかけ」「変化の観察力」「記録による報告」などなど…です。いずれにしても少しずつ積み上げて獲得していくものばかり。キャリアパスとはその道筋を示すものと考えます。
資格と経験は人材育成の両論といえるでしょう。一番重要なことは「人間理解」「生活理解」であり、「人間の尊厳の実践」です。資格取得の際の学習によってその視点を身につけ、日々の訪問・実践によってその具体的な対応と「個別性」を学びます。そうして、日々、自分のレパートリーを蓄積・整理していくことは、推論を磨くことにも大いに役立ちます。つまり、経験から学び、自分の力に蓄えることが必要なのです。この実践には、双方型の緊密なコミュニケーションを伴う信頼関係を築くことが必須であることは、当然お分かりいただけるでしょう。

以上を踏まえたキャリアパスモデルは以下のとおり。参考にしていただければ幸いです。

訪問介護事業所キャリアパス(試案)

備考
*モデルとして考え方を示したもので事業所の規模に合わせて活用していただくことを前提としています｡
*なお､職員給料表及び給与規定を別途示しています｡ベースの給与によっては､職能手当の額が変ってくるかと考えます｡