へるぱ!

学ぼう!「医療」と「介護」

第1回 在宅介護場面で医療的ニーズに対応できるか

法改正に伴い、がん末期患者さんも介護保険法の在宅ケアの範囲に含まれることになりました。そういった背景から、今後は次のような事態が予想されます。

これらの要因があいまって在宅ケア現場では医療的ニーズに対処する必要性が高まることが予想されます。

高齢期には否応なく病気傾向が大きくなります。病気という状態は、生命の危機要素をはらんでいますが、同時に生活のありように大きな影響を与えるという側面を持っています。「生命を守る」ことと同様に「生活を守る」という側面に視点をおいて、その方を支えることはさらに重要です。介護には「生活と生命」の両面を守っていく大きな役割があり、そこに介護職の特徴と誇りがあります。

これからは、在宅で医療的処置やケアが行なわれる場面が増大していきます。介護職者がその場面に接した時に見たこともない様子が展開されていると、何となく近寄りがたいものを感じることと思います。ご利用者に何が実施されているのか、その内容を理解することは、よりよい介護を実施する上で重要な意義があり、心情的にも相手に寄り添うことになるでしょう。
看護職者との連携にあったては、適切な情報を発信する必要が出てきます。これからの高齢社会を担う介護専門職にとって、医療面への視野を持ちながら的確な介護を実施していくには、そのための学習を深める必要がありそうです。

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コラムニスト紹介

式 恵美子

兵庫大学 健康科学部看護学科教授

プロフィール

【資格】
日本赤十字短大、東洋大学大学院(福祉社会システム専攻)修了。看護師、社会福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、福祉住環境コーディネーターの資格を持つ。

【職歴】
日本赤十字医療センター等の病院にて看護職(婦長、看護部長)約20年、看護学教育約20年、介護福祉士教育5年を経験。杏林大学高齢者看護学講師、国際医療福祉大学助教授、創造学園大学教授を経て2007年4月より現職。訪問看護、介護支援専門員の経験あり。

【社会活動】
NPO日本介護予防協会理事、介護実技国家試験委員、東京都福祉サービス第三者評価機構評価委員。高齢者の看護・介護、在宅ケアを研究領域とし、特に「介護予防」に焦点を当てて活動中。

著書・出版

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