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第4回 デンマーク研修のご報告(1)

~空港で足止め6時間?!~

2008年3月24日(月)から3月30日(日)の7日間、有志を募ってデンマークのスヴェンボー市に研修旅行に行ってきました。実質の研修は25日から28日の3日間でした。今回はその時の珍道中を綴ってみようと思います。

出発当日、私たちの大きな期待を乗せた飛行機は12時10分に成田空港を飛び立ち、一路アムステルダム空港へ。そこからまた空路でコペンハーゲン空港へ向い、夜のうちに(時差は8時間)汽車やバスを使ってスヴェンボー市にたどり着く予定でした。ところが、コペンハーゲン行きの便が大幅に遅れているとかで、私たちは空港で足止めを食らってしまうことに。でも、周囲を見渡しても険悪な表情で窓口に詰め寄ったり、大声をあげたりしている人は全くいませんでした。何度も時間修正があったのに、出発予定時刻が近づくと自然と人が集まってきて、再度時間の調整があっても落ち着いて対処するのです。これには驚きました。結局、定刻を6時間過ぎてようやくアムステルダム空港を出発することができました。

コペンハーゲンに着くと、現地通訳のY子さんが待機していました。私たちの飛行機が遅れたことを知り、ただじっと待ち続けてくださったY子さん。本当に、感謝の気持ちでいっぱいでした。

翌日は朝9時からスヴェンボー市庁舎でデンマークやスヴェンボー市の福祉政策に関する講義を受けることになっていましたので、何としてでもその時間までには現地にたどり着かなくではなりませんでした。そのために、予定では宿泊先のベッドの中で夢を見ているはずの深夜に、私たちは汽車に乗り、始発のバスをただ待ち続ける羽目に・・・。この日、デンマークの夜は寒波到来で道路も凍りつく寒さでした。とにかく冷え切っていましたので、骨身にこたえました。でも、その甲斐あって、朝6時過ぎには何とかスヴェンボー市に足を踏み入れることができました。そして何とかホテルに到着。通訳のY子さんが先にホテルに連絡を入れてくれていたおかげで、手続きはすぐに済みました。本当に長い道のりでした。でも、時間がありません。私たちは横になる暇もなく、シャワーを浴びて朝食をとり、そのまま市庁舎へ向かうことになりました。この状況だといつもなら頭脳は眠っているはずなのですが、期待感が疲れに勝ったということなのでしょうか、不思議と足取りも軽く市庁舎に向うことができました。

今回の研修内容については、私自身が4年前にデンマーク ミゼルファートで体験学習をし、もっと知りたいという思いがあって計画したものですが、出発にあたり、ひとつだけとても気がかりなことがありました。それは食事。前回は食事が合わず、帰国の頃には食事に手をつける気力すらもない状態になってしまったのです。それを懸念した私は味噌汁やお茶、カップうどんや即席ラーメンなどを、同行者のことも考えてかなりバッグに詰め込んで持参していました。ところが、とんだ取り越し苦労。現地の食事はバランスも良く、日本食が恋しくなる場面など殆どないほど満足のいくものでした。

さて、次回はスヴェンボー市の取り組みをレポートで報告することにします。どうぞ、お楽しみに。

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コラムニスト紹介

柴田 範子

NPO法人「楽」理事長

プロフィール

1987年川崎市においてホームヘルパーとして勤務。

1999年4月上智社会福祉専門学校の講師として教壇に立つ。

2004年 その傍ら、NPO法人「楽」を設立し、2005年4月より現職。

NPO法人「楽」は川崎市内を中心に福祉・介護にかかわる事業、研修、研究、相談事業等を行っており、認知症デイサービスセンター「ひつじ雲」を川崎市幸区に開設。 2006年5月に新制度の「小規模多機能型居宅介護」へ形を変え、それと同時に新たに「認知症対応型通所介護」(デイサービスセンターくじら雲)を同じ幸区内に開所している。
くじら雲では若年認知症ケアにも取り組んでいる。

神奈川県社会福祉審議会委員や介護福祉士国家試験委員、現在進められている介護福祉士養成課程における教育内容見直しの作業チームの一員として、介護の質を高めたいと言う願いを持って参画している。

著書・出版

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