へるぱ!

介護を受けるプロ

第49回 北海道の季節の味覚2023/01/23

 北海道は食べ物が美味しいことが自慢です。最近では暖かくなり、お米が美味しくなったと喜んでいましたが、温かい空気もだんだんロシアのほうに流れていき、お米の味はまた落ちていくのではないかと一人考えています。

 スーパーに行っても帆立が消えかけ、イカも小さくなり、一番安く食べられた鮭の値段がぐんぐん上がっています。美味しい鮭をスーパーで見つけると深いため息をつきながら買っています。

 イクラはあと何年か経ったら消えてしまうのではないかと思うほど高いです。地球温暖化で魚の生態が変わってきているのでしょう。

 原子力発電所の汚染水も来年から海に少しずつ捨てます。大変な事件です。魚たちも動物たちも、そして人間もが奇形になってしまうのではないかと思います。すべて人間の責任です。

 ヨーロッパやアメリカでは山火事が多くあり、一生懸命建てた家を失う人がいます。どうしたら海の水を冷たくできるのか、真剣に世界中が考えているはずです。しかし人間は楽な世界を知ってしまうと後もどりはできないでしょう。

 1980年代にヨーロッパのほうによく行きました。夕食はロウソク一本で食べていました。スーパーではビニール袋が500円で売っていました。驚いて袋を大切にしなければならないと思いました。地球環境がおかしくなっているということがわかっていたのですね。

 日本はその対策が遅れています。小さな子どもたちを見ると、この子たちの命をどのようにして守れるのかと涙が出てくるときがあります。

 私は若き日、足で包丁を持ち、大根を切り柔らかく煮てイクラを上にのせて食べていました。足までちょっと切ってしまい、血液なのかイクラなのかわかりませんでした。でも美味しかったです。イクラが簡単に買える時代を取りもどさなければいけません。

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コラムニスト紹介

小山内 美智子

障害者自立生活センター 札幌いちご会 理事長
前社会福祉法人アンビシャス施設長

プロフィール

1953年生まれ。
障害者自立生活センター 札幌いちご会 理事長。前社会福祉法人アンビシャス施設長。
自身、脳性麻痺で「ケアを受けるプロ」を自認。

2008年 悪性リンパ腫を発病したが、半年の闘病生活を経て、社会復帰を果たす。
北海道大学医学部作業療法学科で教鞭をとるなど、介護教育に力を入れている。

また、著書『わたし、生きるからね』(岩波書店)などほか多数あり。

著書・出版

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