へるぱ!

知って得する薬の話!

第19回 不定愁訴      2024/01/30

介護コラム

令和5年の暮れから、新型コロナ感染症に加えてインフルエンザ感染症など、日本国内でウイルス感染症が猛威を振るいました。
さらには、嘔吐下痢症も流行の兆しを見せております。
ウイルス感染症が日本にもたらした影響は、人の命・働き方・人々との交わり・経済の減速など、はかり知れません。
日本はあんなに元気だったのに、みんな活発に働いていたのに、新型コロナ感染症は多くの人々に心の闇を作りだしました。
「不定愁訴(ふていしゅうそ)」という言葉を聞いたことがありますか?

介護コラム

新型コロナ感染症流行の後、頭が痛い、いらいらする、なぜかカラダがだるい、便秘、めまい、気分が落ち込む、眠れない、 というような症状の人が増えました。
・新型コロナ感染症にかかったから?
・新型コロナワクチンの後遺症? 
・友人が新型コロナ感染症で亡くなったから?
・加齢とともに?
理由はハッキリしないのですが、元気が出ません。
不定愁訴とは原因がはっきりしないけれど、なんとなく体調が悪いといった状態のことをいいます。
検査を受けても、特に異常は見つからず、不調の原因を特定できないことが多く、頭が痛ければ→鎮痛薬、 めまいがあれば→鎮眩薬、 便秘がち→便秘薬、 体のだるさ→ビタミン薬 などで症状を抑えるだけの対症療法となります。

介護コラム

不定愁訴は、心身のストレス、不規則な生活習慣、ホルモンバランスの乱れなどが要因となり、自律神経のバランスが崩れたときにあらわれることが多いと言われています。
自律神経のバランスが崩れ、心と体に重い不定愁訴症状が出た場合を自律神経失調症と言います。
不定愁訴の予防には、食生活の見直し・適度の運動・心と体をリラックスさせ質の良い睡眠を取ること、などが大切です。

介護コラム

漢方薬は、西洋医学では対応しにくい、冷え性・更年期障害・肩こり・不眠・便秘等に効果が期待できます。
漢方薬の基本的な考え方は、使用する人の体質や症状、そのほかの状態などを勘案して適した薬を選択します。なんとなく体調が悪いと行った状態には漢方薬が適しています。
下記のような漢方薬があります。
風邪症状
 ・葛根湯 ・麻黄湯 ・小青竜湯
鎮痛
 ・薏苡仁湯 ・芍薬甘草湯 ・呉茱萸湯
鎮咳・去痰
 ・半夏厚朴湯

 ・安中散

 ・大黄甘草湯

 ・乙字湯
排尿異常
 ・八味地黄丸
婦人薬(月経・更年期など)
 ・当帰芍薬散
睡眠改善
 ・酸棗仁湯 ・抑肝散
肥満
 ・防風通聖散

介護コラム

漢方薬が飲みにくい時、服薬ゼリーを使ってみましょう。
漢方薬特有の香りや苦味を抑え、飲みやすくするゼリーです。

一覧へ戻る

コラムニスト紹介

藤澤 節子

NPO法人DANKAIプロジェクト副理事長
NPO法人在宅医療・緩和ケアカンファレンス理事

プロフィール

薬剤師。北里大学薬学部薬学科卒。調剤薬局を経営するかたわら、訪問薬剤師として在宅医療に従事。現在、NPO法人DANKAIプロジェクト副理事長、NPO法人在宅医療・緩和ケアカンファレンス理事を務める。

著書・出版

トップページへ