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サービス提供責任者ってどんな仕事?

第4回 訪問介護計画の作成

第1回目でサービス提供責任者の責務をご紹介しましたが、この他にサービス提供責任者の重要な業務において訪問介護計画の作成があります。「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(厚生省令第37号:運営基準)の第24条では、次のように規定されています。

(訪問介護計画の作成)

第24条 サービス提供責任者(第5条第2項に規定するサービス提供責任者をいう。以下この条及び第28条において同じ。)は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならない。

2 訪問介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない。
3 サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成に当たっては、その内容について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。
4 サービス提供責任者は、訪問介護計画を作成した際には、当該訪問介護計画を利用者に交付しなければならない。
5 サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成後、当該訪問介護計画の実施状況の把握を行い、必要に応じて当該訪問介護計画の変更を行うものとする。
6 第1項から第4項までの規定は、前項に規定する訪問介護計画の変更について準用する。

訪問介護計画の作成は、サービス提供責任者の行う重要な業務の一つです。

訪問介護計画は、第2項にあるようにケアマネジャーが作る居宅サービス計画に基づいて作成するため、居宅サービス計画との連動を意識するあまり、ケアプランの文言をそのまま使ってしまうケースも多くあります。しかし、訪問介護計画は、ケアプランを具現化するためのものなので、利用者をより細かくアセスメントし、目的に対してどのような障害があり、どのようにサポートすれば良いのかを明示する必要があります。そのため、「安全に」「安心に」「安楽に」などの抽象的な言葉は避け、利用者・家族・担当ヘルパーにも分かるように、またどのようにすれば良いか具体的な表現を用いて、訪問介護計画のなかに盛り込んでいかなければいけません。

サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成以外にも様々な業務があるため、訪問介護計画の作成に多くの時間をかけてしまうと他の業務も滞ってしまいます。このため、利用者ごとにいかに効率的に訪問介護計画を作成していくかはとても大切なことになります。訪問介護計画の要は何と言ってもアセスメント。的確なアセスメント力を身に付けることが、サービス提供責任者にとって、とても重要なことだと言えます。

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コラムニスト紹介

田中 典子

NPO法人東京ケアネットワーク・けあねっと研修室長。
介護福祉士、介護支援専門員指導者、介護技術講習会主任指導者。

プロフィール

1970年から2000年まで約30年間、東京都葛飾区役所にてホームヘルパー職として勤務。

2000年 退職後『ohashi式』発案者の故大橋佳子氏と「NPO法人東京ケアネットワーク」設立に参加し、理事として介護相談および研修事業に携わる。

ヘルパー研修の他、訪問介護計画書の作成演習など多数の研修講師を担当し、ヘルパー業務支援の為の研修にも携わる。

田中典子先生は平成28年7月12日、享年77歳にてご逝去されました。
心より哀悼の意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。

著書・出版

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