
平成22年2月11日(祝)、スキルアップ講座「介護技術スキルアップ研修 ~医療ニーズの高い利用者への対応~」により財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)と㈱服部メディカル研究所の共同開催で岡山市の福武ジョリービルにて行われました。この講座は、ホームヘルパーにも医療行為の解釈変更や条件付きでの「たんの吸引」が認められ、医療的な行為を学ぶ必要性が高まってきたことから始められました。兵庫大学健康科学部看護学科の式恵美子教授と㈱服部メディカル研究所の高東美代子氏の2名の講師のほか、実習助手1名を加えた合計3名が担当しました。
項目は①「吸引(呼吸器の理解と吸引の実際)」、②「『軽微な傷や褥瘡の手当て』の理解について」、③「『服薬介助 ~坐薬挿入や浣腸~』の手技の理解について」、④「『人工肛門“ストマ”がある利用者の排泄介助』の手技の理解について」の4つ。それぞれ、基本の理解と注意点についての講義を受けたあと、実技を行うという構成です。

まず、「吸引」では、式先生から呼吸器とその疾患を理解するための講義。呼吸のメカニズムや無菌操作の重要性など、吸引を行うにあたって事前に心得ておくべきことの説明を受けました。その後、ペアでカテーテルと吸引器を使用し、お互いに吸引の操作を行いました。カニューレ内だけでなく、鼻からの吸引を行うペアもあって、吸引される利用者側の心理なども学ぶことができました。
午後から行われた「『軽微な傷や褥瘡の手当て』の理解について」以降の講義は、高東美代子先生が担当。皮膚の構造・機能を学んだほか、褥瘡を予防する方法やその治療環境を整える必要性などを理解したうえで、ガーゼや消毒液を使った簡単な傷の手当の方法を具体的に学びました。

次の「『服薬介助 ~坐薬挿入や浣腸~』の手技の理解について」では、薬の取扱いの基本、直腸や肛門の構造と機能、坐薬や浣腸の効果や禁忌についての講義。そのうえで、坐薬の挿入や浣腸を安全に行う手技の方法について実習を行いました。
最後は「『人工肛門“ストマ”がある利用者の排泄介助』の手技の理解について」。大腸の構造や機能の説明を受けたあと、ストマとは何か、またそのケアの方法を学びました。さらに、ストマがあっても利用者らしく生活し、セルフケアが確立できることも理解しました。その一方で、パウチ内の排泄物の処理を実習することにより、医療的行為を担う役割の重要性を再確認することもできたのではないでしょうか。

座学中心の講座とはひと味違い、和気あいあいとした雰囲気の中で行われましたが、様々な実習を通して受講生同士の会話や先生方の的確なアドバイスから各々が新たな知識を身につけることができたようです。
式先生からは、「医療的な知識を身につけることによって、『看護と介護』、それぞれの専門領域を尊重しながら、お互いが連携をとって、よりよい介護を行って欲しい」とのお話があり、最後を締めくくられました。
参加者は医療的行為に対する経験が豊富な方、初めての方などそれぞれでしたが、「基本的な知識から実際の対応まで多方面のことが学べて良かった」、「医療と介護の区分けのあいまいな部分の認識を確認できて良かった」、「利用者の心理を改めて考えさせられた」、「専門性に誇りを持って介護に携わっていきたい」など発展性のある様々な意見が出されました。
■式先生担当の介護コラム:学ぼう!「医療」と「介護」はこちら
http://www.helpa.jp/column/shiki/
「介護技術スキルアップ研修 ~医療ニーズの高い利用者への対応~」は、サービス提供責任者をはじめ、訪問介護や施設の介護職員など介護職全般を対象として開催しています。人気がある講座のため、お申込はお早めにお願いいたします。
■介護技術スキルアップ研修(医療的行為)の詳細・申し込みはこちら
http://www.shafuku.jp/nursing-technology/