平成21年10月17日(土)、財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)が主催するスキルアップ講座「訪問介護におけるターミナルケアの実践」が大阪府社会福祉会館にて開催されました。
講師は、ヘルパーとしても看取り経験の豊富な松井奈美氏(日本社会事業大学社会福祉学部准教授)。

講演内容は「在宅でターミナルを迎える人を支援するために必要な知識と技術 ~ターミナルにおけるヘルパーの役割・連携のあり方~」、「緊急時の判断と対応方法」、「組織としてのターミナルケアの体制づくり」の3点。
まず、「在宅でターミナルを迎える人を支援するために必要な知識と技術」では、松井先生がターミナルケアの実践事例から学んだ、在宅ターミナルを実践するための条件、自宅での看取りが進まない背景と問題点、在宅ターミナルを推進するための具体的な留意点、ホームヘルパーの役割などを指摘。また「満足死の会」の会長・疋田医師の取り組み事例をDVDで紹介し、死を通じて現在をどう生きるかについて学びました。
「緊急時の判断と対応方法」では、それぞれの症状に応じた対応と留意点の説明からスタート。利用者さんの顔色・表情・排泄物・臭い・目の力などの様子をみて、普段からきちんとアセスメントできるようになることが重要とのことでした。また、何がどのように変化したのか、客観的に伝達できるような観察力を養うことも大切であると説明されていました。
「組織としてのターミナルケアの体制づくり」においては、本人だけでなく家族を含めたターミナルケアの支援体制を整えることが必要だそうです。バーンアウトを緩和させる体制づくりとして、支援時の継続的なスーパービジョンを持つとともに、支援終了後のケアの振り返りを繰り返し行うことが必須であるとのこと。また、同職種での振り返りを行った後、「他の職種間でも振り返りを実施することが理想」で、「組織として成功体験を積み重ねていくことが重要である」とされていました。講演の終わりには「最後の日々を生きる」というホスピス病棟における記録についてのDVDも流され、死について改めて考えさせられる内容になったようです。

受講者の中にはターミナルケアの現場に携わった方も多く、受講後には「本人の意思より家族の意思を尊重していた部分があったので、今後は本人の意思も尊重するようにしていきたい」、「介護の現場で、利用者さんへのお役に立てる関わり方が分かり安心。肩の荷が下りた」、「分析力、対話というものを、もう一度、自分自身で見直したいと思った」などの声も聞かれ、ターミナルケアに関する意識をさらに高めることができたようでした。
(写真:松井先生の講義風景)