介護の仕事に就いてみて
色々な方と出会い、お付き合いさせていただき、とても感慨深いです。
宮下さんが勤めている『ことぶきの家 小諸』の外観。二宮金次郎の銅像がお出迎え。
青空に映えるスッキリとしたフォルム。広々な玄関&駐車場!
―宮下さんは、どんな経緯で介護職に就かれたのですか?
姑が倒れて右片麻痺になったのを機に、佐久で同居することが決まり、何か自分に出来ることがあればとヘルパー2級の資格をとったのが最初です。
1Fはデイサービス。昼食前のリクリエーションタイム。宮下さんがご利用者さんに声をかけると嬉しそうに見せてくれたのは…
透明に星☆のスパンコールを散りばめたネイルアート!施設内のイベントでやってもらったのだと、ご利用者さんにっこり。。
―それまでは介護とは全然違うお仕事を?
はい。事務職でした。学校へは仕事のない週末を利用して半年かけて通いました。
デイサービスの昼食はブッフェスタイル。「選ぶ楽しみがある」とご利用者さんには大好評。
1Fには服や本などを購入できるショップを併設。気になる商品をいざ物色!
―資格を取得したら介護職に就くことも視野に入れていましたか?
いえ、最初は姑の介護が目的だったので、そこまでは…。でも、実習の在宅同行研修で「自分にもできるかも」と思えたことは大きな気持ちの変化でした。当時は身体よりも家事援助が主だったので、料理や掃除、主婦の延長線のような仕事内容に「普段家でやっていることにそう変わりはないかも…」と思えて。何より、ご利用者さんから「来てくれてありがとう」「キレイにしてもらって良かったよ」と言っていただけたのが、とても嬉しかったんですよね。『介護って人の役に立つ仕事なんだな』と実感できたことで、より興味が湧いた感じです。
書籍は年配の方が好きそうな歴史ものが多め。スケジュール帳なども販売。
自販機の横には、昔懐かし!瓶の牛乳やコーヒー牛乳。
―介護職について、どんな印象を持たれましたか?
当時はとにかくがむしゃらでした。今みたいにカンファレンスやファイルから情報共有することが定着していない時代です。小刻みにシフトが組まれていたので、ご利用者さん宅に行って、サービス提供して…の繰り返し。また、先輩が厳しくて、「ご利用者さんの前でメモをとるなんて失礼だからやめなさい。プロなんだから!」と怒られたこともありました。自分で虎の巻みたいなものを作り、必死に頭に入れて…みたいな努力もしましたよ。大変でしたが、そうした経験が、ご利用者さんの些細な変化にも気付ける、観察力みたいなものを養うことにも繋がったのかな、と思います。
ご利用者さんが1個から気楽に買えるお菓子も。
―では、年数を重ねるごとに、この仕事にやりがいをより感じられるように?
そうですね。この仕事をしていなければ出会わなかった方達とご家族も含めてのお付き合いをさせていただく、というのはとても感慨深いものです。人が好きなので、その一期一会を大切に、そして次に繋げていけるという部分では、とてもやりがいのある仕事だな、と思います。
ランチ時間になると登場するお弁当。スタッフや来場されたご家族向けに。
―ご利用者さんにも色々なタイプがいらっしゃると思うのですが、その点で苦労された経験などは?
辛いことも多々ありますが、どこかでプラスマイナスになります。門前払いや私が悪い人のように対応されたりすることもありましたが、一方で、すごく感謝もされる。それで帳消しになっちゃうんですよ。また、病気をお持ちの方だと、明日急に「おはよう!」と言えなくなるこも。次に必ずしも元気な状態で会えるとは限らないという思いが念頭にあるので、不愉快な気分にさせたのであれば、「きちんと出来ていなかったですね。申し訳なかったです」と謝るなどして、その場で関係性が良くなるように努めます。