介護の道に進んだきっかけ
施設で働く職員さん、ご利用者さんの笑顔が印象的でした。
津市の中心部にある法人本部の事務所2階がヘルパーステーションのオフィス。
ヘルパーステーション内。広々とした空間で出入りもしやすい。
―岩城さんが介護に興味を持ったきっかけは?
中学3年の時に生徒会活動の一貫で、ボランティアに参加したのがきっかけです。そこで初めて老人ホームへお邪魔しました。
サービス提供票を隅々までしっかりと目を通す岩城さん。
PCが置かれたデスクとフラットなデスクの両方が。フラットだと書類を広げるなど作業もしやすい。
―訪問してみてどんな印象を受けましたか?
ちょうど夏祭りの時に行かせていただいたのですが、施設の方とご利用者さんがものすごく笑顔で。その表情を見た時に「あっ。私が抱いていたイメージと違う」と思いました。
約1年前に制服がチェンジ。以前の制服を着た方を発見! 男性は緑、女性はピンクだったそう。
―というと、当初はどんなイメージを?
正直あまりいいイメージを持っていませんでした。身近にそういう人がいませんでしたし、祖父母と同居していたわけでもないので、何も分からなかったという方が正しいかもしれないです。でも、施設にいらっしゃる皆さんが笑顔なのが印象的で。そこで初めて「福祉ってどういう仕事なのかな?」と興味が湧いたんです。
スタッフお手製、段ボールの書類棚。取り出しやすくて意外にも大活躍!
―それをきっかけに福祉や介護の方面に進もうと?
いえ、その時はあくまでも一つの体験として捉えていました。でもいざ高校卒業後の進路を考える時に、ずっと「福祉」という言葉が頭に残っていることに気が付いて。将来の選択肢に介護の仕事もあるかも、と思い始めてから、改めてその分野に目を向けた感じです。元々、人の喜ぶ顔が直接見れる仕事、人と関わる仕事がしたくて、アミューズメントパークや動物園の飼育員さんも候補にあったのですが、まずは福祉や介護を学びたいと思えたので、介護福祉士がとれる大学に進学することに決めました。
一目で分かるよう登録ヘルパー50人分のボックスが整然と並んでいる。
―「人と関わる仕事」といえば介護もそうですものね。大学4年間で実際に学ばれてどうでしたか? 中学の体験で感じた印象から変化などは?
そうですね。自分の描いていた介護というのは、じっくりとご利用者さんと向き合うイメージだったのですが、実際はそうもいかないのかなと、実習時に感じたりもしました。私は実習生なので「ご利用者さんとコミュニケーションをとっててください」と言われ、お話する機会は多かったのですが、実際働いている方が同じように出来るかというと、バタバタしていて難しそうだなって。あと、学んでいて分かってはいても、認知症の方と接していくのはやはり大変だということも実感しました。それを自分が仕事にして、果たして続けていけるのか? という不安はありましたね。
オフィス内には所々、植木鉢や観葉植物が。
―そうした不安を抱えつつ、介護の道に進もうと決意されたのはなぜでしょう?
実習は内部的なところまで見れないので。まずは働いてみないと分からないことも多いのではないかと思えたからです。それに、実習先の施設で指導してくださった職員の方が自分の理想というか、ご利用者さんにとても寄り添った介護をされていたので、こういう方のいるところで働きたいな、と思ったのが一番の理由かもしれません。