介護の仕事を始めるきっかけ
介護の仕事を手伝うのがごく自然の流れでした。
事業所前にあるベンチとお花。カラフルで目に留まる。
各職員の机がセクション毎に並んでいる。
―外崎さんは、23歳という若さですでに介護歴13年と伺いました。現在、お母様が立ち上げた事業所『介護グループふれあい』で働かれているそうですが、そもそも介護を始められたきっかけとは?
小学校5年の時に、以前から障がい者運動や介護方面に関わってきた母の影響で、脳性麻痺の方の介護ボランティアをはじめました。それが一番最初の介護経験です。また同時期に、母が新設の事業所代表となり、より介護の存在が身近になりました。学校が終われば、自宅に帰らず母がいる事業所に行き、職員の方に遊んでもらいながらみんなの働く姿を間近で見ていましたね。そのうちヘルパーさんにくっついてご利用者さん宅へも行き、お仕事を手伝うようにもなって…。そんな風に、介護の仕事を手伝うのが当たり前、というか、ごく自然な環境で育ったんです。
外崎さんのデスク横には、チーズやバナナが。小腹空きの食べ物は必須!?
壁にはご利用者さん毎の月シフトが貼りだされている。
―ということは、それからずっと介護一筋で今まで?
いえ、そんなことはありません。福祉を本職に選ぶまでには色々葛藤もありましたよ。別の仕事に就いていた時期もありますし…。介護は家業でもあるので、人が足りなければいつでも手伝い、常につかず離れずの関係性ではありました。でも「やっぱり介護が楽しい!」と再確認できたのは、他の職種を経験したからこそ。断面的な部分を切り取る職業が多いなかで、介護のようにゼロから仕上げまで全てを受け持つ仕事って、そうはないと思うんです。だからこそ得られる達成感もまた格別で。何より「自分じゃなきゃダメ」と思えるのが介護なんだと気づき、今ではこの仕事に誇りを持っています。
事業所に立ち寄ったヘルパーさんと、すれ違いざまの会話でコミュニケーション。
―なるほど。改めて介護職の魅力に気づかれたわけですね。では、ここでの外崎さんのお仕事内容は?最近、サ責になられたと伺いましたが?
そうなんです。以前からご利用者さんとヘルパーさんとのマッチングやスケジュール管理など、サ責業務に近いことはしてはいたものの、サ責になったのはつい最近のことです。ヘルパーとして訪問にも行きますしし、事業所の舵取りみたいな部分にも関わらせてもらっています。この事業所をより良くしていくためには、ということを考えながら行動するようにしています。
外崎さんと代表のお母様。そして写真に飛び入り参加のMAC依存症リハビリ施設所長の高瀬さん。
―先程「マッチング」という言葉が出ましたが、実際それぞれの本質を見極めて適切な人材配置をするのって難しいと思うのですが、そのへんどうですか?
そうですね…。例えば、ヘルパーがご利用者Aさん、Bさん、Cさんまで大丈夫でも、Dさんと出会った時に突然、化学反応のように、その方の持つ悪いクセみたいなものがでてしまうケースがあります。ご利用者さんと向き合おうとするほど反発し合って収拾がつかなくなるケースも。その時はその方の性格や本質を理解しきれていなかった自分への責任をすごく感じますよね。ご利用者さんに納得してもらえるような説明が噛み砕いてできるほどまでに、介護者のことを分かっていないとダメなんだな、ってよく思います。
外で育てているミニトマト。ぐんぐん成長中。
―では、相手を理解するために外崎さん自身が心がけていることって何かありますか?
本当は雑談の機会を設けるのが一番なんでしょうけれど、現状そうした時間をあまり作れていません。たわいもない会話からその方の本質が透けて見えることもあるので、これからはもっとヘルパーさん達と話す時間を増やしていきたいです。それが今後の目標でもありますね!