仕事と夢
自分の好きな仕事をしながら、同時に夢も追いかけられる!
ケアを終えた中原さんが富永さんにご利用者さんの様子を報告。
―介護の仕事で最初に就かれたのがここですか?また、実際働かれてみてどうでした?
いえ、最初はここではなく、デイサービスに就職しました。初めての環境で慣れないなか、ご利用者さん、スタッフ同士の人間関係に何回も心が折れそうになる瞬間がありました。ご利用者さんにとって私はお孫さんぐらいの年齢なので「本当にこの子で大丈夫?」と不安がられていることもすごく感じ、身動きがとれなくなる自分もいたり…。くじけそうな時は、校長先生に電話をして、よく相談をしました。すると「誰でもきついことはあるし、嫌な人だっている。それを乗り越えて一人前になれるんだから、我慢も必要」と諭され、そのたびに逃げるのは簡単だけれど、踏ん張らなければと励まされたりもしました。そんななか、日々のちょっとした出来事に嬉しい瞬間も増えていき、仕事を続けるモチベーションも徐々にアップしていったように思います。例えば、なかなかお風呂に入ってくれないご利用者さんが私の声かけで入り、「気持ちよかった」と言ってくださったり。その時は、もう最高~!ってなりますよね。ご利用者さんの「ありがとう」、その言葉が一番嬉しいです。
サービス実施記録を書く机には、ご利用者さんの様子を記した伝達メモがたくさん。
―中原さんにとって先生の存在が本当に大きかったことを感じるエピソードですね。デイサービスからその後、『白富会 サンライフ長嶺訪問介護事業所』に転職された経緯はどのような?
デイサービスに勤めている時から、実はアメリカに行きたい、という夢がありました。デイで働きながらこつこつとお金をため、いざ行くと決めた数か月前に退職をしました。ところが辞めてみると、アメリカに行くまでの数か月、何か仕事をしたいなあと思うようになって。できれば介護の仕事で、登録で1日数時間がOKなところ…と考えた時、やっぱり訪問かなと。
園芸が大好きなご利用者さんの玄関(部屋)前には、花や植木がズラリ。
―ということは、ここ『白富会 サンライフ長嶺訪問介護事業所』はその数か月間だけ働くつもりで?
実はそうなんです(苦笑)。ところが、働くうちに職場が楽しいと感じるようになり、辞めたくないなって思ってしまって。でも、すでにチケットはとっているしどうしよう…と。そこで、上司に正直にお話ししたところ「1ヶ月なら大丈夫だから行っておいで」と言っていただきました。それでアメリカに1ヶ月行き、戻ってまたここで働き、今で2年と数か月が経ちました。
季節のアイテムも一緒に飾ってとても華やか。手入れは毎日欠かさないそう。
―「行っていいよ」と言ってもらえるなんて、それは働く環境にも恵まれましたね。
本当にそうですよね。和気あいあいとしていて、ここはとても働きやすい職場です。
ご利用者さんの部屋によっては阿蘇の山並みが見える。
―ところで、アメリカに行って何か心境の変化があったり?
フレンドリーで自由で前向き、そんな人たちの言動にすごく刺激を受けました。次はもっと長く行きたい! と思いましたね。だから今はそれが新たな夢でもあります。仕事は私にとって夢を追いかけるための手段でもありますが、だからといって何でもいいわけではありません。やるなら好きな仕事のほうがいいし、意味がないよりも意味のあることの方がいい。ご利用者さんに喜んでもらえる仕事をしながら自分の夢も追える。今は毎日がワクワクです。
施設前を掃除するヘルパーさん。隅々まで清掃が行き届いている。
―仕事が生活そのものになってしまって、日々それで過ぎてしまう人もいるなかで、夢を追いながら仕事も同時に楽しむ、その中原さんなりのスタンスは、とても貴重な意見ですね。ちなみに介護の仕事でも何か夢があったりしますか?
介護の仕事では、介護福祉士やケアマネージャーといった資格をとって、今後もステップアップしていけたらなと思っています。